増え続ける実家暮らしの実態
近年、物価高や家賃の高騰が進む都市部では、実家暮らしを続ける若者が増加する傾向にあります。LIFULLが実施した調査によれば、特に20代から40代の多くが「実家暮らし」を選択していることが明らかになりました。
実家暮らしの現状と世代間の差
調査結果によれば、20代の実家暮らしは37.7%と、実に一人暮らしを上回る数字です。また、30代や40代でも約3割が実家で生活しています。このような背景には、経済的な理由が強く影響しているようです。特に、30代では約52.5%、40代では70.3%の人が実家を出る意志が無いという結果が出ており、年代が上がるにつれて実家暮らしの傾向が強まることが分かります。
実家に住む理由としては、20代は「貯金をしたいから」が最も多く、次いで30代は「家賃や生活費が負担になるから」と続きます。さらに、家族の介護や高齢の親への配慮という声も多く寄せられています。
通勤の現実と実家のメリット
実家賃暮らしの人々を対象に通勤状況を調査すると、約36%が「60分以上」の通勤時間を必要としていることがわかりました。これは、生活コストを抑えつつも、通勤に時間をかけている実態を反映しています。通勤時間を考慮しながらも、多くの人が実家で暮らすことのメリットを実感していることが、実家暮らしを継続する要因になっていると考えられます。
また、直近5年間で実家を出た人々の中には「就職先が実家から遠い」との理由で初めて一人暮らしを選択した人が多いということも注目に値します。このように、実家暮らしを選ぶ一方で、就業や学業のために独立するケースも少なくないのです。
親子の絆と新たなライフスタイル
今実家で暮らす人々の中には、親子での絆を深めるために共に生活することを選ぶ人も多く、心理的な安心感やサポートを重視している様子が伺えます。特に高齢化が進む中、親を支えることが大きな要因となっているようです。
この調査は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県在住の男女を対象に実施され、興味深い実態を浮き彫りにしています。全体で4,943名のデータをもとに、今後の生活様式を見直すきっかけになればと期待されています。
まとめ
家賃の高騰や物価の上昇が進む中、実家暮らしを選ぶ人々は今後も増えていくことが予想されます。そして、それぞれのライフスタイルの変化も実家との関わり方に影響を与える要因となるでしょう。親子でより一層の絆を深めることが、今の時代における新しい住まい方として広がっていくのではないでしょうか。LIFULLは引き続き、これらの暮らし方に寄り添い、様々な情報を提供していく役割を担っていきます。