岡山大学が地域企業と共にCO₂削減を目指すワークショップを開催
国立大学法人岡山大学は、2025年11月16日に、岡山県商工会連合会との連携で、地域企業の持続可能な経営を支援するワークショップを津島キャンパスで実施しました。このワークショップは、昨年度から続く「カーボンフットプリントを起点として」というプロジェクトの一環で、地域の学生たちが企業と協力してCO₂排出量の可視化に挑戦する場となりました。
ワークショップの概要
第一回に続くこのワークショップでは、岡山大学の学生とシバムラグループの代表が出席し、実際の製品のライフサイクルを通じたCO₂排出量の分析を行いました。前回の現地見学の際、学生たちは地域のブルーベリー農園や加工所を訪れ、地元企業の活動がどのように地域に貢献しているのかを学びました。
学生たちの実践的な学び
今回のワークショップでは、学生たちがシバムラグループの生産する「ブルーベリージュース」と「ポン菓子」に焦点を当て、それぞれの商品のライフサイクルにおけるCO₂排出要因を分析しました。教師や地域の企業の方々からの実務的なサポートを受けながら、学生たちは具体的な数値を用いて、商品がどのように環境に影響を与えるのかを詳細に見極めています。このような実践的な取り組みから、学生たちは理論だけでなく、現場での経験からも多くを学ぶことができました。
現場での対話の重要性
ワークショップでは、学生たちが迷っていることや疑問点を直接、シバムラグループの社員に問い合わせる機会もありました。「どのような農薬を使っているのか」や「製品を運ぶトラックの種類と燃料は?」といった具体的な質問が飛び交い、より実践的な情報の収集が行われました。学生たちは、実際のデータをもとに正確な算定を目指すため、地道に手を動かしつつ情報を集めていきました。
未来に向けたカーボンオフセットの可能性
ワークショップの終盤では、データ収集の方針についての共有がなされ、さらにJクレジット制度の紹介も行われました。これにより、未来のビジネスモデルとしてカーボンオフセットやクレジット創出の可能性も視野に入れることができ、参加学生たちにとって新たな視点が提供されました。
学生の感想と意義
参加した学生たちは、現場を見て理解したつもりでいたものの、実際の工程を確認することで更なる気づきを得たことを振り返りました。「確認すると抜けや漏れがたくさんあった。現場の方との対話を通じ、細かい点を詰めることで、正確な算定につながると実感した」との声も聞かれました。
今後の展開
今回のワークショップで得た知見をもとに、年内にはカーボンフットプリントの算定作業を完了する予定です。また、2026年1月19日には算定結果を報告する会が設けられ、学生と地域企業、商工会の関係者がともに成果を分かち合う機会が設けられます。この取り組みはますます注目を集めていくことでしょう。
岡山大学は今後も地域企業とともに持続可能な社会を実現すべく努力を続ける姿勢を示しています。ここで行われる取り組みは、地域の未来をつくっていく重要な一歩となるでしょう。