物価高が影響する年末年始の消費動向
株式会社ネストエッグが運営する貯金アプリ「finbee」は、2025年の年末年始における消費意欲やボーナスの使い方に関する調査を実施しました。この調査では、20歳から60歳の男女1,000人を対象に、物価高や円安の影響を受けた最近の資金状況を探っています。
調査結果の概要
調査によると、2025年冬のボーナス支給額の平均は78万円とされ、貯金や生活費に重点を置いた使い道が多く見られました。特に、ボーナスの使い方は「貯金・支払い」が顕著で、消費よりも家計の安定を意識する結果となりました。
次に、クリスマスやお正月の消費金額予測では、「昨年より減らす」との回答が多くみられ、節約志向が強まっています。特にお年玉に関しては、60%以上の世帯が「できる限り渡したくない」と回答し、家庭内での支出削減が重要視されていることが浮き彫りになりました。
ボーナス支給とその使い道
ボーナス支給について、大半の世帯は「変わらない」と回答しており、増減があるのは少数派。ボーナスの使い道は「貯金」が1位、次いで「生活費」となり、投資に充てる世帯も一定数いることが分かりました。特に「ボーナスを貯金に」充てることを希望している家庭が多く、ボーナスの平均充当額は83万円とされており、経済的な将来を見据えた動きが強く感じられます。
年末年始の消費動向
年末年始の食品消費意識も注目され、56.1%が「昨年より増やす」と回答。これは、家族との時間を重要視する傾向が反映されています。また、外食に関しても「増やしたい」と回答する世帯が多く、食関連の出費は減る気配を見せていません。
お年玉に対する心情
お年玉に関する調査では、「できる限り渡したくない」と答えた世帯が60%を超え、その金額は従来の水準よりも抑え気味に思う意図がうかがえました。お年玉を渡す予定のある家庭でも、渡したい額の調整を求める傾向が見られ、今後もこの節約志向が続くことが示唆されます。
世帯貯金額の傾向
調査結果では、世帯貯金額が「10万円未満」と「1,000万円以上」に明確に二極化していることが明らかになりました。40代から60代でこの傾向は顕著で、収入の高さにより貯金状況が大きく異なる様子が見受けられます。20代では比較的均一的な貯金が見られる一方、30代はおおむね高めの貯金を構築している傾向があります。
貯金方法と習慣
「銀行の自動積立」が最も多い貯金方法とされていますが、オンラインアプリの活用(5.7%)も徐々に広がりを見せています。このことで、貯金管理がより手軽になり、家計管理が楽になることが期待されています。
このように、物価高という厳しい外的要因が影響する中で、多くの家庭がどのように年末年始を過ごそうとしているのか、その動向が埋もれていないことが今回の調査から浮かび上がりました。今後の消費動向に注目しつつ、経済の回復を見守りたいところです。