企業の障害者雇用率引き上げに向けた現状と課題を探る
2026年7月に法定雇用率が2.7%に引き上げられる予定ですが、多くの企業がこの変化にどう対応しているのか、株式会社ゼネラルパートナーズの調査を基に検討します。
調査の概要
調査は2026年3月、ターゲットを民間企業の人事・採用担当者に絞って実施されました。対象者は1,020名で、法定雇用率の現状や今後の採用方針について回答を得ています。
現状の把握
調査結果によれば、企業の約6割が法定雇用率を達成していないことが明らかになりました。具体的には、37%の企業が既に達成しており、51.3%は取り組み中、残りの11.7%は何らかの取り組みを行っていないとのことです。このような状況から、障害者の雇用が課題であることは一目瞭然です。
地方企業の特有の課題
特に地方企業では、「採用が難しい」と感じる企業が8割を超えています。通勤環境や求職者の母集団の少なさが、地方特有の就労環境の障壁となっています。公共交通機関の不便さや、都市部の競合企業による「完全在宅」での人材採用が、生産能力に影響を与えている現状です。
障害種別における採用実績
障害者雇用においては、身体障害者の雇用実績が52.5%で最も多く、次いで精神障害(34.6%)、発達障害(32.2%)の順になっています。企業は、特性に応じた人材のサポートや業務切り出しのノウハウを蓄積してきていると評価されます。
人材選定の方針
障害者採用の選定方針では、都市部と地方でスキル・適性重視が共通していますが、地方においては身体障害者への優先度が若干高く、採用活動ができていない企業も多いことがわかっています。このような環境は、実質的な人材の獲得を厳しくしています。
現場での業務と配属希望
障害者が従事している主な業務で最も多いのは、一般事務やアシスタント業務で約40%を占め、次に定型業務が33.7%となっています。企業は今後、一般事務や定型業務のニーズを拡大する意向がある一方で、専門的な技能を持つ人材の必要性も高まっています。
2026年の雇用基準引き上げに向けた準備状況
法定雇用率の引き上げに関して、企業は約8割がその内容を把握していますが、具体的に準備を進めているのは32%にとどまります。多くの企業が、制度改正を従来のコンプライアンス対応と捉えるのではなく、全体の多様性の理解を深め、新しい働きやすい環境を作り出そうとしています。試行錯誤しながら現場定着と活躍を目指す中、企業が求めるのは法定数字の単なる確保ではなく、障害特性への理解を深めた連携と業務における再設計です。
まとめ
障害者の法定雇用率引き上げに伴う課題は今後ますます深刻になると考えられます。企業は個々の障害特性を尊重し、適材適所の採用進行を図る必要があります。共通した障害者支援を行うことで、就労環境の改善が期待されます。今後も「障がい者総合研究所」などとともに、社会全体の支援体制が構築されることを望みます。