三菱造船の脱炭素化
2025-04-10 13:58:23

三菱造船が船上CO2回収システムの設計承認を取得し脱炭素化へ前進

三菱造船、船上CO2回収システムの新たな一歩



三菱重工グループに属する三菱造船株式会社は、船舶から排出される二酸化炭素(CO2)の回収に向けた新しい試みとして、船上CO2回収システム(OCCS)の基本設計承認(AiP)を日本海事協会から受けました。この技術の導入は、世界的な脱炭素化の流れに逆らわず、船舶の運航を持続可能な方向に向ける重要なステップといえるでしょう。

船上CO2回収システムの基本設計が承認



三菱造船が今回取得した基本設計承認は、排出した船舶の排ガスを浄化し、CO2を回収して液化・貯蔵するシステムに関連しています。これは、国際的に急速に進展している脱炭素化のニーズに応じたパイロットプロジェクトです。新技術の導入によって、船舶運営における温室効果ガスの排出が減少し、より環境に優しい海運が実現されることが期待されています。

技術の背景と三菱の取り組み



三菱重工グループは、過去30年以上にわたりCO2回収技術の開発に携わってきました。特に、陸上施設向けのCO2回収技術で得た豊富な経験を活かし、船舶に対応したシステムの構築に注力しています。具体的には、排ガスの前処理、CO2の液化、貯蔵、そしてハンドリングに関する先進技術が組み合わされています。

また、三菱造船はエナジートランジションの一環として、造船業界における海事エンジニアリング技術の開発・普及に取り組んでいます。これにより、国内外の海事産業の発展に寄与し、より持続可能な未来を実現することを目指しています。

世界的な脱炭素化の必要性



温暖化対策として、船舶からの温室効果ガス(GHG)排出削減は避けて通れない課題です。近年、国際的な規制も厳格化しており、船主や運航会社に対して脱炭素技術の導入が求められています。このような社会的な背景の中、三菱造船が手掛けた船上CO2回収システムの必要性はますます高まっています。今後、同システムの製品化に向けた開発が進められるとのことで、期待が膨らむばかりです。

基本設計承認(AiP)とは?



基本設計承認(AiP)は、認証機関による設計の審査をクリアしたことを示す重要な証明書です。安全性や技術的要件が満たされていることを示すものとして、船舶業界では極めて重要なプロセスです。三菱造船が受けたAiPは、NK(日本海事協会)が定めるガイドラインに基づき審査され、承認を得た結果です。

結論



三菱造船の船上CO2回収システムの基本設計承認は、単に新技術の導入を意味するだけでなく、未来の海運業界における持続可能性の向上を目的とした取り組みの一環です。脱炭素化への対応が急務となっている今、三菱造船はその技術力を駆使し、環境に配慮した船舶の開発を進めていくことでしょう。この動きが他の企業や業界にも波及し、全体としての脱炭素化が加速されることを期待したいものです。


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