東京大学医学部のダイバーシティ授業──多様性を共に学ぶ新しい時代へ
2026年7月13日、株式会社医学書院から、特別な一冊『東大医学部生が受けているダイバーシティ&インクルージョンの授業「建前」から「納得」へ』が出版されます。この本は、東京大学医学部が新たに取り入れた教育の実態を示すものであり、医学生たちがどのようにダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)を学んでいるのかを詳しく知ることができます。
この教材は、医療における当事者との共同創造の大切さを伝えようとする、画期的な試みに基づいています。著者の笠井清登氏と熊谷晋一郎氏は、医療文化を変えるため、学生たちが多様な視点を取り入れることの重要性を強調します。考え方や価値観の違いを理解することで、共に生きる社会を築いていくための基盤を形成していくのです。
目次の魅力
この本には、全12講義とともに、専門家たちの講義動画が収録されています。第1講では、医療者や支援者にとってのダイバーシティ&インクルージョンの必要性について深く考察されています。特に熊谷晋一郎氏は、自身の経験を通じて依存症というテーマから社会の包摂との関連性を探ります。
さらに、第2講では、共同創造(コ・プロダクション)の重要性が論じられ、精神障害を抱える人々との関わりから生まれる新たな医療の形が示されています。結局、医療の本質は、患者と医療者の協力によってさらに向上するものだと説いています。
講義動画の活用
本書の魅力は、目に見えない知識をさらに深めるためのQRコードで動画を視聴できる点にあります。各講義において、実際の授業の雰囲気や参加者同士の対話が生き生きと映し出され、読者は一歩踏み込んだ学びが可能になります。
例えば、第3講では当事者のナラティブに焦点を当て、自閉症や依存症について、異なる視点からのストーリーが語られます。これにより、医療において直面する複雑な課題にどう対処するか、考える機会を提供しています。
教育課程への導入
この教材は単に教育機関向けに策定されたものではなく、医学、看護学、心理学、社会福祉学など、さまざまな援助職の教育課程での活用も期待されています。コミュニケーション実習の導入や、DI文化の理解を深めるためのツールとしても適した内容です。
最後に、編集者からのメッセージでは、なぜこのようなダイバーシティ教育が必修科目となったのか、その背景や意義について触れられています。このような教育は、医療者としての責任を果たし、より多様で包括的な社会を築くための第一歩であると言えるでしょう。
結論
この本で示される医療の未来は、当事者の声を中心に据えられた医療です。サポートを提供する側が「授ける」立場から、一緒に「創造する」存在へとシフトしていくべきなのです。まさに、違ったままで共に生きていくための原則を確立するための貴重な一冊です。他の医療関係者や学生たちにも、ぜひ手に取っていただきたいと思います。