カンボジアの公教育の未来を拓く「CIESF」プロジェクトの挑戦
オンライン上で低下する教育水準に歯止めをかけ、さらなる向上を目指す公益財団法人CIESF(シーセフ)は、カンボジアにおける教育支援を行っています。2008年の設立以来、同団体は理想的なモデル校の運営を通じて、幼小中一貫教育を実現し、カンボジアの公教育の質を向上させることを目指しています。そんなCIESFが新たに取り組むのが、クラウドファンディングによる教育支援です。
公教育の現状とCIESFの取り組み
最近のデータによると、カンボジアの小学校修了率は80%を超えましたが、OECDのPISA調査では教育の質が依然として改善の余地があることが明示されています。特に読み書きや科学的リテラシーの面では、参加国81か国中最下位という厳しい結果を受けており、教育格差が深刻な状況にあります。
その中でCIESFは、教員の育成や教育行政への支援といった具体的な取り組みをスタートさせました。特に教員養成校での日本人教育アドバイザー派遣や大学院の運営を通じて、現地の教育者の育成に取り組んでいます。それにより、カンボジア独自の教育改革を自立的に行える環境を整えています。
モデル校「CIESF Leaders Academy」の設立
CIESFは2016年に「CIESF Leaders Academy(CLA)」を設立しました。この学校は、地球益を目指すリーダーを育てることを理念とし、幼稚部から小学6年生までの約200名の生徒が同じ校舎の下で学んでいます。CLAはICTを用いた効果的な指導法を実施し、柔軟な学びの環境を提供しており、教育省からも視察されるなど高い評価を受けています。
このモデル校では、「学ぶこと自体が楽しい」と思えるような、探求的で主体的な学びを重視しています。また、AIを活用した算数ドリルの導入など、新しい技術を取り入れた教育の広がりも期待されています。
クラウドファンディングの目的と展望
今回、CIESFが開始するクラウドファンディングの目標金額は300万円です。資金が集まれば、STEAM教育の一環として、芸術教育の充実に向けた教室整備や備品の購入を行う予定です。
特に、現在進めている芸術に関しては、週1時間の授業が公立学校で割り当てられるものの、十分な教育が実施されていない現実があります。多くのカンボジア人に失われた音楽や美術の教育を復活させ、自国の文化を育んでいくことが目標です。
さらに、体育の充実も図るために新たなグラウンドを整備し、農園を作ることで、子どもたちが五感を使ってさまざまな学びを体験できる場を提供します。これにより、興味を広げ、より深い学びを促進させる環境を整えることが目指されます。
まとめ
CIESFの取り組みは、カンボジアの教育環境を根本から変える可能性を秘めています。このクラウドファンディングを通じた支援は、未来を担う子どもたちに質の高い教育を提供することで、持続可能な成長をもたらすでしょう。現在の取り組みに賛同し、教育支援の輪を広げるためにも、皆さまからの温かいご支援を是非お願い申し上げます。
クラウドファンディング特設ページから詳細をご覧いただけます。