野原邦彦の個展「SHABON」
2025年9月9日から27日まで、東京・天王洲のgallery UG Tennozで開催される個展「SHABON」では、アーティスト・野原邦彦が新たな作品群を発表する。野原は2009年から同ギャラリーの専属アーティストとして活動しており、彼の作品には「心地よい瞬間」というテーマが流れています。
アーティストの背景
1982年に北海道で生まれた野原は、広島市立大学大学院で彫刻を学んだ後、2010年に活動を開始しました。その後、国内外で数多くの展示を重ね、近年では「Floating moment」や「The Flavor of Art」などの個展が注目されました。今回の「SHABON」は、野原のこれまでの表現を一層深化させた内容となっています。
新作シリーズ《SHABON》
本展の目玉、新作シリーズ《SHABON》は泡(しゃぼん)と盆栽という一見対照的なモチーフを組み合わせています。このユニークな融合によって、観る者に新たな感覚をもたらし、心に響く瞬間を演出しています。特に、一木から彫り出された木彫作品は、その制作過程で生じるヒビ割れをあえて残し、ダイナミックでラフな質感と柔らかなフォルムが特徴です。
このフォルムには、自身の子どもとの日常生活の記憶が反映されており、個々の体験を普遍的な「心地よい瞬間」へと昇華させています。観る人々は自身の過去の思い出や感情と向き合うことができ、記憶を呼び起こす契機となるでしょう。
「匿名性」のテーマ
また、作品に度々現れる「水中メガネをかけた人物像」は「匿名性」の象徴として、訪れた人々に自らの記憶や感情を投影する余地を与えます。このテーマは、現代社会における多様性や包摂性といった価値観に呼応し、観る者に新しい視点を提供します。
これまでの主な展示
これまで、野原はさまざまな場所で作品を発表してきました。2017年の「ステキな時間」展(上野の森美術館)、2018年の「今夜は本屋でパーティー」(GINZA ARTRIUM 銀座蔦屋書店)など、国内外の多くの重要な展覧会で存在感を示しています。
展覧会情報
- - 展覧会名: SHABON
- - アーティスト: 野原邦彦
- - 会期: 2025年9月9日(火)〜9月27日(土)
- - 開廊時間: 11:30〜18:30
- - 休廊日: 日曜・月曜(ただし9月14日・15日は開廊)
- - 会場: gallery UG Tennoz(東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX 2 2F)
終わりに
「SHABON」は野原邦彦の新しい試みであり、観る者の心に深く訴えかける展示となることが期待されます。自身の記憶と向き合い、多様な価値観に触れる機会を持つこの展覧会。ぜひお見逃し無く!