ダイニングイベント「NEXT TABLE」開催レポート
2025年8月31日、東京の虎ノ門にあるレストラン「Cassolo」で、イベント「NEXT TABLE」が開催されました。このイベントは、逆境の飲食業界で夢を追いかけている若手料理人たちにスポットライトを当てることを目的にしています。主催は料理人コミュニティ「nocs」と株式会社Chef's valueで、麻布十番のフレンチレストラン「エルブランシュ」のオーナーシェフ・小川智寛氏が主宰しています。
この日は、30名のグルメ愛好家や業界関係者が参加し、4名の若手料理人たちが自信をもってプレゼンテーションを行いました。彼らの料理には、それぞれの想いや技術が凝縮され、自らのストーリーを表現しています。
登壇シェフの紹介
桐山淑雅
肩書: Grolla オーナーシェフ
料理テーマ:「文化の距離をほどく、郷土と再接続」
料理名: バットゥータ・エ・ポレンタ
戸上莉奈
肩書: 和菜食料理人
料理テーマ:「いただきます、のその向こうへ」
料理名: 夏の余香
齋藤勇佑
肩書: 料理人/フードアナリスト
料理テーマ:「誰かの人生に、そっと寄り添う料理」
料理名: 夏鹿と野菜のグリエジュ・ノワール
合田裕香
肩書: パティシエ
料理テーマ:「愛に溢れる甘すぎないウェルネスなスイーツを」
料理名: 草花桃香
料理人の思い
それぞれの料理人は、普通の食材や地域の文化をメニューに活かし、彼らの料理には確かな哲学と技術が反映されています。
例えば、桐山氏は、「料理は土地の歴史や風土を表現できるもので、それを理解することでより深い料理が出来る」と話し、郷土の味わいを引き立てることの重要性を語りました。
戸上氏は、和菜食の魅力を述べ、「一皿には季節の移ろいと香りの変化を盛り込みたい」と強い意気込みを示しました。
また、齋藤氏は、「市場で評価されにくい食材の価値を見出してほしい」と、無駄になりがちな食材を活用した料理を提案しました。彼らの料理は食材の背景を考え、環境問題やサステナビリティへの配慮が表れています。
合田氏は、優しさを感じられるスイーツ作りを通じて、「人々の身体や心をケアすることが大切だ」とメッセージを込めました。彼女のスイーツは、甘さ控えめながらも、温かい思いを届けることを目指しています。
参加者の声
参加者からは「それぞれのシェフが持つストーリーに感動した」との声や、「普段触れることのない料理人の感性に触れた」という感想が寄せられました。このイベントは、ただ食べるだけでなく、参加者同士や料理人との交流を楽しむ場でもありました。
イベントの意義
昨年の飲食業界では894件もの倒産が報告され、非常に厳しい状況にあります。そうした逆境の中でも、若手料理人たちが自身の技術を駆使し、未来を切り開こうと挑戦する姿は、業界の希望そのもの。これからも彼らのような若い才能を支えていくことが求められています。
まとめ
「NEXT TABLE」は、料理人の技と情熱が結実する特別なイベントでした。参加者は、料理を通じて夢を語る若手シェフたちの挑戦を目の当たりにし、未来の料理人たちの力強いメッセージを受け取ることができました。このようなイベントを今後も続けていくことで、飲食業界の発展に寄与していくことが期待されます。料理を通じて新たな価値を創造し、将来の食文化を豊かにするために、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があります。