医療的ケア児支援法施行からの新たな一歩
認定NPO法人フローレンスが9月18日(木)より新たに立ち上げたオンラインコミュニティ『医療的ケア児保育』まなびばは、医療的ケア児に携わる保育士や看護師、また自治体職員が情報を共有し、学び合う場を提供します。この取り組みは、2019年に施行された医療的ケア児支援法に基づき、医療的な支援を必要とする子どもたちが、全国どこでも適切に保育を受けられる環境を作るための重要なステップです。
背景と現状
医療的ケア児支援法の施行から4年が経過し、医療的ケア児の保育園への入園者数は着実に増加しています。2023年度の統計では、全国で1,200人以上の医療的ケア児が保育園に入園しており、その数はわずか7年で約4倍に達しました。しかし、入園者の増加に伴い、多くの保育現場では、対応策やノウハウが不足しているという問題も浮き彫りになっています。
フローレンスには、全国各地の保育園や自治体から、「医療的ケア児を預かるのが不安」「安全に保育する方法が分からない」といった多くの声が寄せられています。これらの声を受けて、フローレンスは約500名に研修を提供し、その結果、支援者が抱える孤立感や不安を解消するための新しい取り組みを開始します。
オンラインコミュニティ『まなびば』の特徴
『医療的ケア児保育』まなびばでは、参加者同士が気軽に相談できるチャットルームや、定期的に開催されるオンライン交流会が用意されています。これにより、同じ立場の仲間とつながり、情報や質問を共有することができるため、孤立感を軽減する役割を果たします。
更に、フローレンスが10年以上にわたって培ってきた医療的ケア児保育に関する豊富な経験を基に、基礎的な知識や実践的工夫を学ぶ機会も提供されます。オンラインコンテンツでは、ショート動画の視聴やeラーニング講座の受講が可能で、医療的ケア児に特化した技術研修や現場体験も用意されています。
保育士・看護師のための支援
特に医療的ケア児が在籍する施設では、看護師または保育士1人が対応するケースが多く、頼れる同僚がいないため対応が困難です。また、個別対応が必要な分、参考となる事例が少なく、日々の業務における負担が大きいという現実があります。コミュニティの存在は、そうした支援者が互いに学び合い、知識や経験を共有する場となり、実践への助けとなることでしょう。
つながりを通じた未来への展望
フローレンスの園長は、保育を通じて子どもたちが地域で安心して暮らせることを目指しています。保育は単なる預け入れではなく、成長の第一歩を支えるための大切な過程です。『まなびば』を通じて、医療的ケア児を含むすべての子どもたちが、学校や地域で自立し、活き活きとした生活を送れるよう支援し続ける意義がここにあります。
参加方法
『医療的ケア児保育』まなびばは、2025年9月18日より登録を開始し、費用は月額1,590円(税込)。保育士や看護師、自治体職員といった対象者が参加でき、これから医療的ケア児保育に関わろうとする方々も大歓迎です。
詳細な登録方法やコミュニティの内容は、フローレンスのウェブサイトで確認できます。これからの医療的ケア児保育の未来に向かって、共に学び、支え合う場として、ぜひ一緒に参加してみませんか?