2026年卒業予定学生への就職環境調査結果が示す中堅企業の課題
株式会社文化放送キャリアパートナーズが、2026年卒業予定の学生を対象に実施した「2026年卒ブンナビ学生調査」の結果が公開されました。調査は2025年3月の上旬に行われ、106名の大学生から回答を得ています。これにより、就職活動の現状や学生の意識についてのパターンが浮かび上がってきました。
大手志向の進行
調査結果によると、中堅・中小企業への関心が昨年よりも減少していることが明らかになりました。多くの学生が引き続き大手企業に目を向けている傾向が強まり、就職情報を集める手段も多岐にわたるようです。具体的には、就職情報サイトや合同説明会、さらにはメールや郵送物から積極的に情報を収集していることが分かります。
就職環境は「まあまあ」の状況
2026年卒業予定の学生は、現在の就職環境について「まあまあ(例年並み)」という評価を最も多く挙げています。しかし、昨年より「楽勝(昨年より就職しやすい環境)」と感じる学生が5%ほど増加しており、特に早期に情報収集やインターンシップに参加した学生には良い傾向が見られるようです。企業から内定の約束を受ける学生も増えており、全体的には明るい見通しが感じられます。
社風の重視
今年度調査では、社風を重視する学生が昨年と比較して大きく増加しています。社風とは何かという点について、学生たちは「雰囲気」という言葉で表現しています。具体的には、話しかけやすい雰囲気や、同僚や上司との良好な人間関係が職場の雰囲気に大きく影響することがわかっています。特に「若手が能動的に行動する必要がある」という環境を求める傾向が強まり、学生たちの考え方に変化が見られます。
内定を持たない学生の増加
調査の中でも目立つのが、「まだ内定をもらっていないので就職活動を継続」という学生の割合です。昨年に比べ、この比率が14.9%減少したことがわかりますが、内定を持ちつつも活動を続けている学生は昨年より増加しています。また、内定を持っていない学生の中でも、自発的に活動を続ける意欲は高まっています。
エントリー状況
エントリー数に関するデータでは、6社から10社への応募が最多で、20.8%を占めています。一方、まったくエントリーをしていない学生も増加し、昨年よりも1.3%上昇し12.3%に達しています。最も多く利用されているエントリーの方法は企業の公式Webサイトからで、65.6%に達しています。
結論
総じて、2026年卒業予定の学生の就職環境は、前年よりもポジティブな要素が多いものの、中堅・中小企業の採用活動には厳しさが伺えます。社風を重視する傾向が強まる中で、企業側はその見えにくい部分をどのようにアピールしていくかが大きな課題となりそうです。