がん治療とアピアランスケアを考えるセミナーが神奈川で開催

「その人らしさを、がん治療のそばに」

2025年10月10日、神奈川県の県民共済みらいホールにて、ファンケルとキリンホールディングスが共催したアピアランスケアセミナーが開催されました。サブタイトルにある「その人らしさを、がん治療のそばに。」という言葉が象徴するように、がん治療を受ける方々やそのご家族への心理的・社会的なサポートがテーマです。

セミナーの目的

本セミナーは、がん治療によって外見（アピアランス）に変化を経験する方々が直面する困難を共有し、関係者間で情報を交換する場として位置づけられていました。実際に参加したのは95人。この人数からも、その重要性が理解されていることが見て取れます。

行政と企業の連携

湊治子氏の挨拶

神奈川県健康医療局の湊治子氏は、県とファンケルの連携を記念する挨拶を行いました。彼女は、両者が持つ強みを上手に活かし、一人ひとりの健康を支えていくことを確認しました。特に、患者支援の充実が重要であり、がん相談支援センターが県内に36カ所設置されているとのこと。これによって、患者がしっかりとサポートを受けやすくなります。

具体的な取り組み

がん相談支援センター

神奈川県では、がん専門相談員が患者支援を行い、ピアサポーターも交流の場を提供しています。治療を受けながらも働けるように支援を行う企業の認定制度や、若年患者向けの経済支援なども強化されています。また、初の試みとして「防がんMAP神奈川県版」が作成され、情報へのアクセスも改善されていることが紹介されました。

ファンケルのアプローチ

株式会社ファンケルの秋山裕香氏は、患者や医療従事者のアンケート調査から得た知見を元に、外見の変化に対するストレスや情報の整理が困難であることを強調しました。その結果を踏まえた「Nagomi time」という情報集約プラットフォームが紹介され、同社の今後の活動についても触れられました。

特別セッション

梅宮アンナさんの体験

特に印象的だったのは、乳がんを体験された梅宮アンナさんと医療従事者の片岡先生との特別セッションです。梅宮さんは、治療と仕事の両立に伴う困難について率直に語り、アピアランスケアのサポートが心の支えになったと述べました。彼女の言葉には、「自分にとって大切なことだけを伝えてほしい」というメッセージがあり、参加者に深い理解を促しました。