岡山大学が新見市および他の4つの大学と協力して始めるプロジェクト「耕作放棄地を『価値ある生態系』へ:データ×デザイン×協生農法が創る新見市モデル」が、総務省の支援を受けて推進されます。この取り組みは、人口減少や高齢化の影響で増え続ける耕作放棄地に焦点を当てており、持続可能な農業のモデルを実現しようとしています。
プロジェクトの概念
このプロジェクトは、全体を通して「食べられる森」を構築することを目指しています。不耕起・無施肥・無農薬の「協生農法®」を用い、様々な植物を混植することで、地域の生物多様性を高めながら、農業の楽しみを提供します。具体的には、地域の和紙の材料となる楮(コウゾ)や三椏(ミツマタ)を含む野菜や果樹を栽培します。これによって、耕作放棄地を人々が集い、生物多様性を享受できる場へと形作ります。
デジタル技術の活用
プロジェクトの一環として、本学のデータサイエンス部が中心となり、遠隔農地モニタリングアプリを開発します。このアプリは、生物多様性データや農地の状況を可視化し、都市部の利用者が現地の農地の変化や成長を実感できるようにします。これにより、地域の農業と都市の生活を結びつけ、より身近に感じられる体験を提供します。
地域資源の活用と新たな価値の創造
さらに「食卓のトータルデザイン」を通じて、地域の資源を高付加価値化する取り組みも行います。例えば、収穫物を使った新たなレシピの開発や、神代和紙を利用したテーブルウェアを制作することで、地域の特産品を一層魅力的に演出します。これにより、都市と地域の新しいコミュニケーションモデルが誕生することを期待しています。
具体的な取り組みと体制
このプロジェクトは、2026年7月から2027年3月までの間に新見市で実施される予定です。月1回以上の現地交流を通じて、地域課題の解決に取り組み、持続可能な社会を実現するためのモデルを構築します。新見市はプロジェクト全体の運営と地域課題の提示を行い、岡山大学がデータサイエンスと大学間連携をコーディネートします。
岡山県立大学と戸板女子短期大学、大阪公立大学も各自の専門性を駆使して、プロジェクトを支援します。
このプロジェクトは、地域に根差した持続可能な未来を目指す学びのひとつとして位置付けられています。岡山大学は今後も、これらの取り組みを通じて地域創生と自然共生を両立させる努力を続けます。地域の方々や学生たちが協力し合い、共に発展する姿を目指して、皆さんのご理解とご支援を賜ることを願っています。