ケープペンギンを守るための取り組みとサンシャイン水族館の使命

水族館の人気者、ケープペンギンの現状

池袋に位置するサンシャイン水族館では、開業以来多くの人々に親しまれているケープペンギンが飼育されています。この種は南アフリカ原産で、現在は絶滅危惧種とされています。その背景には、環境変化や人間活動による影響が大きく、野生での数が劇的に減少しています。特に、2024年にはIUCNの評価で「深刻な危機」（CR）のカテゴリーに位置づけられることが決定し、ケープペンギンは絶滅の危機にさらされています。

絶滅の危機をあおる要因

ケープペンギンは、その生息域である南アフリカの環境変化により、数々の問題に直面しています。最大の要因は、過去の歴史的活動から派生したものが多く、ペンギンの捕獲や住処の破壊が続いてきました。特に、19世紀における大規模なグアノの採掘や、卵の乱獲は大きな打撃でした。また、経済活動による海洋汚染も深刻で、重油流出やプラスチックごみがペンギンに影響を与えています。

乱獲と環境の変化

ケープペンギンは、1497年にバスコ・ダ・ガマによって発見され、19世紀にはその肉や油が資源として利用されました。特に、ペンギンの糞から生成されるグアノは「白いゴールド」と呼ばれ、飼料や肥料として大量に採掘されました。この過程で、多くのペンギンたちが営巣地を失い、繁殖活動が妨げられました。さらに、重油流出事故や漁業による捕獲、餌となるイワシの乱獲も彼らを脅かしています。これらの影響により、ケープペンギンは全世界で約97%も減少し、その絶滅が懸念されています。

サンシャイン水族館の取り組み

サンシャイン水族館では、ケープペンギンの保護活動を支えるため、様々なコミュニティ活動を行っています。毎年4月25日の「世界ペンギンの日」には、エコグッズの販売やペンギンについて学ぶイベントを企画し、売上の一部は南アフリカのSANCCOB（南アフリカ沿岸鳥類保護財団）に寄付しています。これまで4年間で146万円以上の寄付を行い、これらの資金は保護されたペンギンの飼育やサポートに使用されています。