弘前市とNECのデータ活用実証実験
2024年10月から2025年6月にかけて、弘前市とNEC(日本電気株式会社)が共同で実施したデータ利活用に関する実証実験が注目されています。この実証実験では、弘前市が抱える多様な課題に対して、GIS(地理情報システム)を用いたデータの可視化と分析が行われました。これは、行政の効率化や新たな政策立案のための重要なステップとなります。
計画の背景と目的
gisを用いることで、異なるデータを組み合わせ、より効果的な情報共有が可能になります。本実証の主要な目的は、弘前市内の課題解決に向けた具体的なアプローチを示すこと。そして、全庁でのデータ活用の促進を図ることにあります。
実証実験のユースケース
実証実験では、特に「通学路の安全対策」と「観光客の動向分析」の二つのユースケースが設定されました。
通学路の安全対策
通学路の安全対策では、民間データや事故発生リスク、過去の点検実績を重ね合わせた「通学路安全マップ」が作成されました。このマップを活用することで、多角的な視点からリスクを検討し、想定しているリスクを地図上で管理することが可能になりました。当初は紙を用いて情報共有を行っていたものが、GISを活用することで迅速な情報共有が実現しました。これは市と小学校間のコミュニケーションを大幅に改善するものでした。さらに、データに基づく安全対策の見直しが行われ、実行性が向上しました。
観光客の動向分析
観光客の動向については、弘前市で行われるさくらまつり期間中の人流データを活用した分析が行われました。観光情報をもとに観光客の行動や消費額を可視化することで、観光施策の有効性を評価し、観光ルートの選定などに役立てられることが期待されています。
今後の展望と期待
この実証実験の成果を基に、今後は住民にも利用できる「住民との双方向コミュニケーション基盤」としてGISプラットフォームが浸透することが見込まれています。NECは、この実証で獲得した技術と経験を活かし、自治体のデータ活用を一貫してサポートする方針です。将来的には、庁内データと民間データを最大限に活用し、行政サービスの向上と、より効率的な行政運営の実現を目指します。
弘前市自体も、この実証実験を通じてデジタル化を加速させ、市民サービスの向上に向けたさらなる努力を行うことを宣言しています。データに基づく課題解決を進めることで、市民にとってより良い生活環境を提供するための重要な第一步が踏み出されたことが確認できます。
このように、NECと弘前市の共同プロジェクトは、地域社会におけるデータの有効活用の可能性を広げており、他の自治体にも影響を与えるモデルケースとなることが期待されています。