Excelによる予算管理の実態とリスク
最近、SaaS比較サイト「BOXIL」が行った調査結果が大きな話題となっています。この調査では、Excelを用いて予算管理を行っている企業の実態と、その運用に潜むリスクが浮き彫りにされました。具体的には、646名の担当者を対象とし、多くの企業が抱える問題点を洗い出しました。
調査結果の概要
本調査によれば、予算管理をExcelで行っている企業は約59.1%にのぼり、特に単独でExcelだけを使用している企業は36.7%とされています。これは、予算管理の関心が高まる中、未だに多くの企業が効率的な運用ができていない証拠とも言えます。
さらに、多くの担当者は「データの収集や提出依頼」「データの転記、集計」に時間を費やしており、その割合は76.4%に達しています。このような非効率的な作業が続いている背景には、手作業によるエラーや複雑化したExcelの操作が存在することが明らかになりました。
経営リスクへの懸念
この調査の結果、経営企画や経理など、予算管理に従事する担当者の72%が、Excelでの手作業によるミスが経営判断に悪影響を与えるリスクを懸念していることが判明しました。業務が大きくなるほど、この危機感は強くなり、特に従業員数が多い企業では8割以上の担当者がこの危機感を持っています。
実際に、ミスが経営判断に影響を及ぼした具体的な事例もいくつか寄せられています。幹部に半年間誤った数字を報告していたり、計算式がズレていたために売上データが正しく集計されていなかった事例が挙げられています。このような具体例を見ると、いかにExcelでの予算管理がリスクを孕んでいるかがわかります。
課題の深掘り
「Excelによる予算管理の課題」として挙げられたのは、手作業による入力ミスや計算式のエラー、関数やマクロの複雑化、各部署からのファイル集計にかかる手間などで、最も多くの担当者が共通認識として抱いている問題点です。
また、予算管理システムの導入が進まない理由としては、運用コストが高く費用対効果がわかりづらいといった懸念が多く寄せられており、業務が回っている現状では新たなツールを導入する必要性を感じないと答えた担当者も17.3%存在します。特に、忙しい業務の合間に新しいシステムの情報収集や検討を行う時間を捻出できない点も大きな障壁と言えるでしょう。
結論
今回の調査結果から、Excelでの予算管理が多くの企業にとっていかにリスクをはらんでいるか、またそのリスクに対策を講じる必要性があるかが明らかになりました。今後、ツールの導入に際しては、コストだけでなく業務を効率化し、リスク回避にもつながるシステムの選定が求められるでしょう。経営判断を支えるためにも、より効果的な予算管理の実現に向けた取り組みが急務です。
詳しい調査結果は、BOXILの公式サイトにて確認可能です。
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