新たな空き家活用への挑戦
近年、日本において空き家の増加は社会的な問題として浮かび上がってきています。2024年に行われた「住宅・土地統計調査」によると、空き家の数は900万戸に達し、これは2019年の調査時よりも51万戸も増えています。特に、団塊世代の高齢化が進んでいる2040年には、相続に伴って空き家がさらに増える可能性が高く、対応が急務です。このように放置された空き家は、倒壊や景観の悪化をもたらし、地域の住環境にも悪影響を及ぼします。
一方で、コロナ禍を経て訪日外国人の数は回復し、国内でのシェアリングエコノミーの需要も高まっています。特に、民泊としての空き家利用が注目を集めている中で、オリコ(株式会社オリエントコーポレーション)、東急不動産ホールディングス株式会社、空き家活用株式会社は連携し、新たな取り組み『ホームシェアリングローン(有担保型)』を発表しました。
空き家活用に向けたこれまでの取り組み
これまでも、Airbnbやオリコ、アキカツの三社は空き家に関する資金ニーズに応えるために無担保の「アキカツローン」や「ホームシェアリングローン」の提供を行ってきました。また、2024年夏には、さらに多くの方々の参入を促すためのサービス「ReINN」の実証実験も行う予定です。これにより個人および法人がホームシェアリングを始め尽くすことが期待されています。
新たな『ホームシェアリングローン(有担保型)』の詳細
今回新たに導入される『ホームシェアリングローン(有担保型)』は、空き家のオーナーに向けて幅広い資金ニーズに対応する商品です。具体的には、物件の購入やリフォームなどが可能で、最大1億円まで、20年までの長期利用が可能です。このローンは、地域金融機関との連携を強化し、オリコが保証することで、スムーズな資金の流れを確保します。
この取り組みは住宅の流通と利活用を促進する一環として、空き家の減少や今後の新たな空き家問題の抑止を目指しています。空き家が再利用されることで、Airbnbなどのプラットフォームにも登録され、地域の観光振興にも寄与する見込みです。
組織体制によるサポート
この取り組みには、東急不動産ホールディングスの社内ベンチャー制度も活用しています。具体的には、「宿泊市場の再定義」という理念のもと、ReINNという新たな企業を設立予定です。この企業は、物件選定から開業、運営、売却に至るまで一貫してサポートし、物件オーナーが手軽に利益を享受できるような仕組みを提供することを目指しています。
今後も、オリコ、東急不動産、アキカツの三社は、それぞれの強みを活かしながら、空き家問題の解決と地域活性化に向けた取り組みを続けていくことを約束します。空き家を再生し、新たな価値を見出すこの動きは、地域にとっても大きなメリットになることでしょう。どのように活用されるか、これからの展開が楽しみです。