しりあがり寿の個展「加我威異地獄」
2025年10月4日から10月19日、東京・南青山のYUGEN Galleryにて、著名な漫画家しりあがり寿の個展「加我威異地獄」が開催されます。本展では、しりあがりが手掛ける「カワイイ地獄」のアートを通して、観る者に新たな感覚をもたらす体験が用意されています。
アートのテーマ「カワイイ地獄」
「カワイイ」という言葉は、日本のカルチャーとして世界中で愛されていますが、しりあがり寿はこれを単なる可愛らしさとして捉えるのではなく、社会が抱える目に見えない課題のフィルターとも見ています。彼はカワイイがもたらす安心感や癒しを求める様子が、逆に現代社会の不安や地獄を連想させると語ります。
ギャラリー内には、大判の紙に描かれた鬼や妖怪たちのインスタレーションが展示され、約30点の墨絵や板絵で構成される不思議な世界が繰り広げられます。愛嬌のあるビジュアルが並ぶ一方で、次の瞬間には思わず心の中をぐっとつかまれるような深淵が見え隠れする、この独特の感覚こそが、しりあがりの持ち味です。
スペシャルイベント・トークショー
展覧会の期間中、特に注目すべきイベントが10月11日(土)に行われます。前半には立川寸志による落語が披露され、後半にはしりあがり寿自身が参加するトークショーも予定されています。寸志は最近真打に昇進したばかりの実力派噺家で、彼の語りもまた、しりあがりのアートとの相互作用でどのように進化するのか、非常に楽しみです。
しりあがり寿のプロフィール
しりあがり寿は、1958年に静岡県で生まれ、1981年に多摩美術大学を卒業後にキリンビールでパッケージデザインなどに従事しました。その後、1984年に漫画家としてデビューを果たし、以来「真夜中の弥次さん喜多さん」や「地球防衛家のヒトビト」など、多くの作品を発表してきました。彼のスタイルは、パロディーを取り入れた新しいタイプのギャグ漫画として注目を浴び、さまざまな受賞歴も誇ります。特に文化庁メディア芸術祭では優秀賞を受賞するなど、業界内外で高い評価を得ています。
開催概要
- - タイトル: 加我威異地獄
- - 期間: 2025年10月4日(土)〜10月19日(日)
- - 開館時間: 平日 13:00〜19:00 / 土日祝日 13:00〜20:00(最終日のみ17:00終了)
- - 入場料: 無料
ぜひ、YUGEN Galleryに足を運び、しりあがり寿の独自の視点から描かれたカワイイ地獄の世界を体感してください。現代社会が抱える様々な問題を考えさせられると同時に、アートとしての魅力も存分に楽しめることでしょう。会場の詳細については、ギャラリーの公式サイトをチェックすることをお勧めします。