食事による犬の皮膚トラブル改善:共同研究からの新たな知見
株式会社バイオフィリアとどうぶつ健康科学研究所が共同で行った研究は、犬の皮膚トラブルを解消するための手作り食の効果に注目しています。皮膚疾患は様々な要因で引き起こされるもので、特に食事が大きな役割を果たすとされています。
共同研究の背景
犬の皮膚疾患は、外部や内部からの刺激によって病的反応を示すことがあり、これが治療を難しくさせています。欧米のデータによれば、小動物の皮膚病診療は全症例の20%から75%に及び、日本でも非常に多くのケースが報告されています。犬の皮膚疾患の改善にあたっては、食事構成が鍵となることが分かってきました。一般的には、栄養バランスが取れたドッグフードや療法食が利用されていますが、食物アレルギーを抱える犬の飼い主は手作り食を選択肢に加えることがあります。
研究では、低アレルギー食や必須脂肪酸のバランスを考慮し、プロバイオティクスを加えることで、免疫機能の向上や抗アレルギー効果が期待されることが示されています。
この流れで、株式会社バイオフィリアは、質の高い原材料と殺菌乳酸菌を配合した手作り食の研究を行い、犬の皮膚ケアに役立てる方法を探求してきました。
研究概要と結果
対象となったのは、皮膚に問題を抱える一般家庭の犬3頭です。彼らには4週間にわたり、手作り食を与えました。主な原材料には、鹿肉や豚肉、サツマイモ、カボチャ、ニンジン、舞茸などが含まれており、これに真鯛オイルやウコン粉末、殺菌乳酸菌、ビタミン、ミネラルが加えられています。
結果として、3頭中2頭で皮膚の痒みや症状の改善が認められました。さらに、腸内細菌叢において、有用な酪酸産生菌が増加し、炎症を助長する細菌が減少しました。これにより、腸内の健康も向上したと考えられています。
データは限られた症例によるものですが、食事の原材料が犬の皮膚に与える影響の重要性を示唆するものとなりました。
小沼守先生のコメント
どうぶつ健康科学研究所の所長である小沼守先生は、研究結果に満足し、これが皮膚に問題を抱える犬にとって新たな希望になることを望んでいます。特に、適切な食材を用いることが、犬の腸内環境を改善し、皮膚の健康を支えることができるという点では、飼い主にとっても大きな安心材料となります。
この研究は、市販のフードに不安を持つ飼い主に向けて、安心して手作り食に取り組むきっかけとなるでしょう。愛犬の健康を考える上で、正しい選択ができるよう今後も研究や啓発が進むことを期待します。
犬の皮膚健康を支える手作り食の利用は、愛犬と飼い主にとっての毎日の喜びと健康に繋がることを願っています。