Quantum Meshが特許取得!液浸冷却システム『KAMUI』
Quantum Mesh株式会社が、液浸冷却システム『KAMUI』に関する包括的な特許(特願2025-036914)を取得したことを報告します。この特許は、KAMUIによる高効率な液浸冷却を実現するための複数の技術要素を組み合わせたものとなっています。特に、熱交換構造や油流動設計、ラック構造に関する技術が権利化されています。
液浸冷却システム『KAMUI』の開発背景
近年、生成AIが急速に普及する中で、AI処理に必要不可欠なGPUの消費電力が増大し、従来の冷却手段では対処しきれない問題が浮上しています。水冷方式の導入が進むも、GPUの発熱量は予想以上に増加しており、その冷却能力や電力消費の面で限界が見えてきています。そこで登場したのが、液浸冷却技術です。
この技術では、サーバーを絶縁オイルに浸し、その温度上昇を効率的に回収・冷却します。これにより、高密度なGPU環境における大幅な省エネを実現可能です。Quantum Meshは、AI社会を支えるデジタルインフラを構築するために、『KAMUI』を開発しました。
『KAMUI』の特徴とは
KAMUIは、閉鎖循環式の単相液浸システムであり、来年度から商用化を予定しています。このシステムの特徴は以下の通りです。
1. 地下水を冷却源に使用
日本及び世界各地には豊富な地下水が存在します。この地下水を冷却源として活用することで、年間を通じた安定した冷却が可能です。自然環境を有効活用したサステナブルな設計により、環境負荷の低いデータセンターの運用が実現します。また、地下水が使用できない地域向けにはチラー冷却方式も対応可能です。
2. 世界最高水準のエネルギー効率
KAMUIを導入することで、必要冷却電力の使用量は従来の空調方式の1/10以下に。データセンター全体のPUE(Power Usage Effectiveness)も1.03〜1.04という世界最高クラスの効率を達成しています。
3. コンパクトなフットプリント
『KAMUI』は、1㎡未満の空間に対して40kVAの冷却能力を持ち、従来のデータセンターに比べて80%以上の空間削減を実現。この技術により、都市部や地方の限られたスペースでも高性能なデータセンターの運用が可能になります。
KAMUIについて
液浸冷却システム『KAMUI』は、サーバーを冷却液に浸すことで効率よく熱を吸収するしくみです。地下水の安定した温度(14〜18℃)をサーバーの発熱と熱交換することで、冷却を行い、その冷却にかかる電力を従来の方式の1/10以下に抑えることができます。この技術により、データセンター全体として世界最高水準の効率を実現しています。また、1m²のラックで40kVAまで冷却可能であり、空間効率も大幅に改善されているのです。
Quantum Mesh株式会社について
Quantum Mesh株式会社は、高度な計算処理と情報の安全な保護を目的とした可搬型データセンターの開発と運営を行っています。流通する情報を世界レベルのセキュリティで保護し、有効活用できる環境を提供し、さらにAIやIoTを活用した未来の街づくりを提案しています。正しいデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指しています。
【会社概要】
社名:Quantum Mesh 株式会社
本社:東京都中央区銀座二丁目15-2 KR Ginza Ⅱ 4F
設立:2023年6月
代表者:篠原 裕幸
事業内容:可搬型データセンターの開発および運営
Webサイト:
https://quantummesh.jp/