昨今の音楽シーンにおいて、特に耳を惹く存在となっているボカロP・ゆよゆっぺが、最新EP『SICK-やんでるEP-』をリリースする。この作品は、彼が抱える限界の感情を精一杯表現したもので、特に「SynthesizerV AI 夏色花梨」の愛らしいボーカルと、ダイナミックなバンドサウンドが絶妙に融合していることが特徴だ。
このEPに収録された楽曲たちは、ただ楽しいや軽快なものではなく、より深いテーマを内包している。人は一人では生きていけないという現実を見つめ、その中で病むことや狂うことができない人々に向けて、優しい手を差し伸べるような温かさを持たせている。この作品を通じて、自身の痛みを吐き出しつつ、明日を生きる力を与えてくれるようなメッセージが込められています。
ゆよゆっぺは、自身の内面を深く掘り下げた言葉を発信する一方で、現代社会が抱えるさまざまな困難や苦しみについても率直に語る。彼の考えでは、従来の「美徳」とされる「困難に立ち向かう」という姿勢には疑問があるという。「死」を恐れている彼にとって、ずっと耐え続けることがより苦しいと感じることもあるだろう。彼は、「困難の食べ過ぎで死んだら元も子もない」と述べており、その考えの背景には多くのファンが共感する部分があると言える。
また、彼はこのEPを「病んでいる」瞬間を受け入れる空間として、多くの人々に楽しんでもらいたいと願っている。日常の煩わしさを一時的に忘れ、作品の中で心の苦悩を吐き出し、その後は何事もなかったかのように明日を迎えてほしいとの思いが込められている。
2025年11月19日、水曜日の午前0時に配信リリースされたこのEPには、特に注目すべき楽曲「Makka」が含まれており、同日21時にはそのMVも公開される予定だ。このMVも楽しみにするべきで、音楽と映像がどのように織りなされているのか、ファンは期待を膨らませている。
ゆよゆっぺは茨城県大洗町出身で、2008年よりボカロPとしてのキャリアをスタート。その後、彼はニコニコ動画において独自のスタイルを確立しながら、さまざまなアーティストに楽曲を提供してきた。また、バンド「Naked Identity Created by King (N.I.C.K)」のメンバーとしても活動し、その音楽的スキルを高めている。彼は、ROCK IN JAPANやSUMMER SONICといった大型フェスにも出演するなど、国内外問わず幅広いアプローチで音楽シーンを盛り上げてきた。
ゆよゆっぺの音楽は、特に感情の深層に触れるような力を持っており、彼のファンにとっては耳を傾けるだけでも一つの癒しとなるだろう。新しいEP『SICK-やんでるEP-』を聴くことで、あなた自身の感情と向き合い、共感を得る機会とすることができるかもしれない。ぜひ、彼の音楽に触れ、心の中の声を解き放ってみてはいかがだろうか。