Z世代を一括りにするな！OASIZによる消費行動の新解析

Z世代を細分化する重要性

近年、Z世代（1990年代後半から2010年代初頭に生まれた世代）の消費行動が注目されていますが、企業やメディアが一括りにしてしまう傾向があることが問題視されています。そこで、株式会社OASIZが実施した「Z世代の消費意識・SNS利用実態」に関する調査を基に、Z世代を年齢別に細分化して新たな消費行動の特徴を明らかにしました。調査結果によると、Z世代は「Z1（15〜19歳）」「Z2（20〜24歳）」「Z3（25〜29歳）」の3層に分けられ、それぞれ異なる購買動機や行動スタイルが存在していることがわかります。

調査の背景

Z世代はデジタルネイティブな世代で、SNSを中心に自己表現や情報収集を行っています。しかし、育った環境や社会状況の変化により、価値観が大きく異なっています。OASIZでは、これまでのSNSマーケティングの経験を通じて、同じZ世代でも購買の動機やトレンドへの反応が異なる傾向を感じてきました。そこで、全国の15〜29歳の男女を対象に定量調査を行い、各層の消費行動を詳細に分析しました。

3層Z世代の消費行動

Z1層（15〜19歳）

Z1層は、新しいトレンドを追い求める「トレンドセッター世代」としての特徴が際立っています。SNS上のトレンドや流行に敏感で、27%がTikTok経由で購入しています。この世代は、流行をいち早く取り入れ、購買決定は衝動的で直感的な要素が強いです。文脈としては、「反応重視の消費」が見られることから、他人の承認や共感を重視する傾向があります。

Z2層（20〜24歳）

Z2層は、商品の背景やストーリーを重視する「エモ世代」です。この世代は41.5%がSNSを利用して情報収集を行い、購入に際しては共感を持てるかどうかが大きな判断基準になります。また、ストーリー性重視の消費が顕著で、実際の体験やその背景に心地よく共鳴することが、彼らの購買行動を動かします。

Z3層（25〜29歳）

最も成熟したZ3層は、「安定・堅実世代」として確認され、47%がECサイトを通じて商品を購入しています。この層では、コストパフォーマンスや機能、評価が重視される傾向が強く、確認・検討を重ねた上で購入を決定します。

SNS利用と情報収集

Z世代間ではSNSの利用目的にも顕著な違いが見られます。Z1層は娯楽を、Z2層は情報収集を、Z3層は実用的な情報収集と自己表現を重視するなど、年齢が上がるにつれて利用スタイルが異なる事実が分かりました。この役割の分化により、Z世代は情報収集においてもSNSから検索エンジン、テレビへと利用媒体を変えていく傾向があります。

結論

このように、Z世代は一括りにはできない多様な特性を持っています。各世代ごとに異なる価値基準や消費行動が存在するため、今後のマーケティング戦略においては、彼らを一元的に捉えず、より細分化してアプローチすることが求められるでしょう。OASIZの調査結果は、これからのZ世代マーケティングに取って重要な指標となること間違いありません。