EV充電の未来を見据えた業務提携
2023年、ユビ電株式会社と株式会社ファムが業務提携を結び、機械式駐車場でも電気自動車(EV)の充電環境を整備することが発表されました。この提携により、これまで技術的な制約からEV充電が困難とされていた機械式駐車場でも、利用者が「じぶんの電気」を自由に使える新しい充電環境が実現される見込みです。
2050年に向けた政府の方針
日本政府は2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2035年までに国内での乗用車新車販売を電動車による100%にする方針を掲げています。それに伴い、十分な充電施設の整備が求められており、特に都市部に住む4割以上のマンション・アパート居住者が「自宅で充電できない」という大きな課題に直面しています。
機械式駐車場の課題
マンションの管理組合や賃貸オーナーからは、敷地内の機械式駐車場にEV充電設備の設置についての問い合わせが増加しています。しかし、機械式駐車場へのEV充電設備の設置には多くの制約があり、設置可能な駐車スペースが大幅に制限されることが多いのが現状です。このため、EV利用者は近隣の公共充電に頼らざるを得ず、利便性が大きく損なわれています。
提携の内容
ユビ電はEV充電サービス「WeCharge」を展開し、ファムは機械式駐車装置のメンテナンスや開発に取り組んできました。両社の提携により、以下のような新しい充電環境の実現が期待されています。
- - 機械式駐車場でも「じぶん専用の充電環境」の創出
- - すべての駐車スペースへの充電設備の検討が可能
- - 平置き駐車場と機械式駐車場を「WeCharge」で共通管理
- - 設置工事から保守までの一貫対応
- - 設置対象の機械式駐車装置のメーカーや装置に制約なし
この取り組みにより、ユビ電の代表取締役社長山口典男氏は、「快適なEV充電をすべての人に届けたい。この提携で、集合住宅におけるEV充電の利便性を高めていきます」と意気込みを語ります。また、ファムの代表取締役社長野村拓氏も「ファムが持つ機械式駐車装置の技術やノウハウを生かし、EVシフトの課題を解決していく」と述べています。
持続可能な社会の実現に向けて
両社は、提携を通じてマンションやアパートにおけるEV充電環境の整備を加速し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。「電気の未来を描く」ことをスローガンに、新たな電動車ライフのスタイルを提案します。
会社概要
代表者:山口典男
設立:2019年4月
所在地:東京都港区三田一丁目1番14号 Bizflex麻布十番4階
事業内容:EV充電サービス「WeCharge」の管理・運営
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代表者:野村拓
設立:1987年3月
所在地:神奈川県横浜市中区翁町2-9-4 ファム横浜本社ビル
事業内容:機械式駐車装置の保守・販売・施工・修繕・改修、EV充電設備設置
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