教育支援の新しい風
教育現場における課題は日々深刻化しています。特に、子どもの貧困や虐待、ヤングケアラーといった問題は、早期発見と適切な対応が求められている中、教職員の業務負担が増加し、教育活動に支障をきたすこともあります。しかし、このような課題を解決するための取り組みが始まりました。株式会社EDUCOMが提供する統合型校務支援システム「C4th」と、大阪公立大学現代システム科学研究科が開発したAIスクリーニングシステム「YOSS」が手を組み、実証試験を行うことになったのです。
プロジェクトの概要
今回の実証試験は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が推進するSDGsに向けた共同研究プログラムの一環として実施されます。「C4th」は全国で1万1千校以上の学校に導入されており、日々の出欠情報や保健室の来室記録など、重要なデータをAIに供給します。これによって、教職員の負担が軽減されるだけでなく、子どもの課題を迅速に発見する手助けが期待されています。
教職員の負担軽減
「YOSS」はAIを活用し、教職員が行っている日々の記録を自動的にスクリーニングします。これにより、教職員は膨大なデータの中から問題行動の兆候を探し出す手間を省くことができ、教育現場での業務を効率化します。また、情報を「YOSS」に連携する際にも、データの出力が容易であるため、業務の流れが滞ることなく進行できます。
子どもの課題の早期発見
「YOSS」は、潜在的に支援が必要な児童生徒を判定し、早期に支援が必要なケースを特定します。これによって、教職員は自主的に子どもたちの状態を観察し、必要な支援を行うことができるようになるのです。具体的には、健康診断データや出欠状況といった情報がAIによって分析され、早期対応が可能な子どもたちを見つけ出します。
チーム学校の実現
これまで教員が一手に抱えていた子どもたちの課題を、AIを介して「チーム学校」として共有することがこのプロジェクトの目的の一つです。情報を集約することで、担任だけでは解決できなかった問題に対して、養護教諭や管理職が一緒に対策を講じることができます。これにより、一人の教職員が負担を感じることなく、短期間で複数の視点からのアプローチが行えるようになるでしょう。
今後の展開
EDUCOMは、実証を通じて得られた知見を基に、さらなるデータ活用モデルの確立を目指します。この研究が成功することで、全国規模でのモデル展開が期待されており、教育現場における教職員のウェルビーイングを向上させることができます。また、より質の高い支援が具体化することで、子どもたちが適切に育成される社会の実現に向けて進めていくとしています。
このプロジェクトは、学校現場における新たな支援モデルの構築を目指しており、学校の未来にとって非常に重要なステップとなります。EDUCOMと大阪公立大学の連携により、教育現場が抱える様々な課題に対して有効な解決策が提示されることが期待されます。