飲み放題メニューの新規開業動向が示す2023年忘年会のトレンドとは

2023年の忘年会トレンドを読み解く

2023年の忘年会を前に、飲み放題メニューを提供する飲食店が約9,600件も新規開業しています。この現象は、外食市場が団体利用や宴会需要の回復を目指していることを示しています。特に、コロナ禍を経て企業の懇親会やグループでの会食が再び活発化する中で、飲み放題プランが選ばれる理由も明らかになっています。

新規開業に関するデータ

株式会社Reviewによる調査によれば、2023年1月から2025年10月までの期間に新たに開業した飲み放題メニューのある飲食店は9,665店に達しています。特に2023年には開業店数が3,922件とピークを迎えました。以下は年別のデータによる推移です。

- 2023年: 3,922店
- 2024年: 3,558店
- 2025年（1〜10月）: 2,185店

このように年度ごとに減少しているものの、依然として高水準での開業が見られ、忘年会や団体利用の需要に応じた業態への出店が続いていることが分かります。

出店が集中する地域

新規開業した飲み放題メニューの飲食店は、都市部を中心に展開されています。特に東京、大阪、神奈川、愛知、福岡の5エリアが上位を占めており、企業が集まるこれらの地域では懇親会やグループ利用が多く実施されています。具体的な出店数は次の通りです。

1. 東京都: 2,932件
2. 大阪府: 1,077件
3. 神奈川県: 718件
4. 愛知県: 667件
5. 福岡県: 476件

このように、これらのエリアでは飲み放題プランが特に需要のある業態として、出店が進む傾向にあります。

今年の外食トレンド

2023年の外食市場で顕著なトレンドは「ネオ大衆酒場」「チーズビストロ」「焼鳥系専門店」の3つです。これらの業態は飲み放題プランと非常に相性が良く、大人数利用に向けた集客力を持っています。

ネオ大衆酒場

昭和の雰囲気を現代風にリファインしたネオ大衆酒場は、若者からビジネスマンまで幅広い層に支持を受けています。SNS映えする内装とリーズナブルな価格設定が魅力で、大人数を受け入れるレイアウトも特徴です。特に、多くの幹事に選ばれることが多い業態となっています。

チーズビストロ・肉バル

チーズや肉料理を中心に展開するビストロやバルも人気を集めています。これらは料理をシェアするスタイルが定着し、飲み放題プランとの組み合わせも良好です。特に女性グループや若手社会人に支持されています。

焼鳥・もつ焼きの専門店

焼鳥やもつ焼きなどの専門店は、飲み放題プランを組み込みやすい点で強みを持っています。特に物価上昇の影響を受けにくく、幅広い年代に支持されているため、今年も高い人気を維持しています。

まとめ

このように、今年の外食市場では団体利用に応じた飲み放題メニューの需要が高まっています。飲み放題業態が新規開業から見ても一定の水準を維持していることは、外食市場が団体利用を取り入れながら着実に回復している証拠と言えるでしょう。飲食業界における新たなビジネスモデルの構築が進む中、参加者が楽しく安心して楽しめる場を提供する事業者の取り組みが今後も重要になると考えられます。