新生活前の親子に迫る「保育園の洗礼」の実態と対策

春が訪れると新しい生活が始まり、多くの家庭が幼稚園や保育園に子供を通わせる準備を進めます。しかし、これには「保育園の洗礼」と呼ばれる新たな挑戦が待ち受けています。今回は、キリンホールディングスが実施した「親子が直面する『保育園の洗礼』実態調査」の結果をもとに、春の新生活における子供の健康管理の重要性について探ります。

調査の背景と目的

2023年に開始された「げんきな免疫プロジェクト」の一環として実施されたこの調査では、春から子供を保育園に通わせる親や、すでに通わせている先輩ママ・パパを対象に600件以上のアンケートを実施しました。調査の目的は、免疫の獲得が遅れている「菌離れ世代」の乳幼児が直面する感染症のリスクを明らかにし、家族の健康と新生活を守るための対策を考察することです。

調査結果概観

調査の結果、約70%の園児が「保育園の洗礼」による感染症や体調不良で早退や欠席を経験したことが判明しました。また、親が子供の体調不良で仕事を休む、遅刻、早退をした経験があると答えたママ・パパは、実に90%以上に上ることがわかりました。このことから「保育園の洗礼」が親子双方に大きな負担を強いることが明らかになっています。

具体的な調査結果

1. 「保育園の洗礼」の認知度
約60%の親が「保育園の洗礼」という言葉を知っており、多くの家庭がこの問題に対して意識を持っていることが分かりました。

2. 感染症リスクの高い時期
感染症による呼び出しが最も多かったのは12月でしたが、特に新年度の4～6月に入園する子供たちも同様に高リスクだったことが実感されています。

3. 「家庭内感染」の広がり
入園後に感染した子供が原因で、家族内感染を経験した家庭は約90%にも達しました。これは家族全体での健康管理が必要であることを示唆しています。

4. 感染予防対策
親たちが実施している対策として、「手洗いを徹底する」が73.5％、次いで「十分な睡眠をとる」が48.7％、「うがいを習慣化する」が41.1％という結果が出ました。

5. 「菌離れ世代」の現状
最新の調査によれば、約60%の親が子供たちが病気にかかりやすくなっていると感じており、その理由として「運動不足」や「栄養バランスの崩れ」を挙げています。特に外遊びの機会が減ったことで、体が持つ免疫機能の低下が懸念されています。

専門家のアドバイス

静岡厚生病院の小児科診療部長、田中敏博先生は、コロナ禍の影響で「菌離れ世代」の子供たちが集団生活で感染症に遭遇する機会が少なかったことが、免疫力の獲得遅延につながったと指摘しています。また、春の生活環境の変化や気圧の変動も子供にとってストレスとなり、これが「保育園の洗礼」の主因であると考えています。