インクルーシブなスタジアム
2026-06-12 19:28:54

誰もが楽しめるサッカースタジアムを目指す取り組み

誰もが楽しめるサッカースタジアムを目指す取り組み



東京都杉並区に拠点を置く特定非営利活動法人ADDS(アッズ)は、「誰もが主役になれるサッカースタジアム」を実現するための新たな試みを始めました。このプロジェクトは、東京都新宿区を拠点とするサッカークラブ「クリアソン新宿」と連携し、2026JFL CUPの開幕戦が行われたMUFGスタジアム(国立競技場)で実施されました。

センサリールームの設置



ADDSは、サッカー観戦を楽しむ上での障壁となる要因を解決するために、感覚過敏を持つ人々やその家族向けに「センサリールーム」を設置しました。スタジアム内の大音量や人混み、視覚的刺激は、これらの特性を持つ方々にとって大きなストレス源です。この専用スペースでは、感覚過敏や発達特性を持つお子様、そのご家族が周囲を気にせず安心して観戦できる環境が整えられています。

実際の利用人数は、3組の家族(お子様3名、保護者5名)、および成人の当事者が5名の合計13名に上り、利用者からは「満足度100%」の高評価を得ました。特に、環境設計には当事者の声を反映し、視覚支援ツールやリラックスエリア、アクティブエリアのゾーニングが施されるなど、工夫が凝らされています。

利用者の声



実際にセンサリールームを利用した方々からは、以下のような感想が寄せられました。

  • - 「以前は刺激でパニックになったが、今回は最後まで安心して楽しめた」
  • - 「専門知識に基づいたおもちゃや配慮があり、親も安心して観戦に集中できた」
  • - 「選手やスタッフの皆さんのあたたかい配慮でとても良い思い出ができた」

これらの声からも、専用スペースがどれほど重要なものであるかが伺えます。

ダイエク(Diversity Experience)ツアーの実施



さらに、ADDSは「ダイエク(自閉症疑似体験)」という体験型プログラムも展開しました。このプログラムでは、参加者が専用のメガネや集音機を使い、視覚や聴覚に制限を加えた状態でスタジアム体験を行います。これにより、普段意識しない刺激や不自由さを疑似体験することができ、配慮の必要性を「じぶんごと」として捉える機会が提供されました。

プログラム参加者からは、「感覚の特異性への理解が深まった」という声があり、87.5%がボランティアへの意識が変化したと答えています。このように、イベントは周囲の理解を促進したことが大きな成果となりました。

今後の展望



ADDSは、クリアソン新宿と連携して「誰もが主役になれるスタジアム」のモデルを未来へ向けて発信し続けます。専門的な環境調整と理解促進の両側面を兼ね備えることで、スタジアムのアクセシビリティを向上させ、多くの人にスポーツ観戦の楽しさを届けることを目指しています。ADDSは、発達支援が必要なすべての人が自分らしく生きていける社会を実現するための活動を継続していきます。これからも注目が集まる取り組みとなりそうです。


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