「SNSで見ればまた行こう」は実店舗に通じるのか?新たな集客実態を探る
株式会社クリエイティブジャンプが実施した調査結果が注目を集めています。デジタル広告やSNSの普及により、店舗集客の手法は多様化していますが、果たして生活者が「また行こう」と思う瞬間は、SNSの投稿によるものなのでしょうか。調査によると、その答えは意外にも否定的でした。
SNS投稿による再来店意識
調査結果によると、「後日、SNS投稿を見てまた行こうと思った」と感じた人の割合はわずか2.2%。これは、SNSが「また行こう」という思いを直接的に引き起こすには、あまりにも少ない数字と言えます。
一方で、初回来店中や来店直後、さらにはその後に店の近くを通った際に「また行こう」と思った人の合計は55.3%。この数字は、SNSのインパクトの約25倍に相当します。これが意味するところは、生活者はSNSを介さずとも、実際の店舗体験や日常生活の中で再来店の意欲が生まれるということです。
集客の原点は実店舗にあり
この調査から浮かび上がるのは、実店舗の重要性が改めて再認識されたということです。具体的には、「初回来店中に思った」21.4%、「来店直後に思った」21%、「後日、店の近くを通って思った」12.9%と、いずれも実際の来店体験や身近な環境によって、再来店の意識が強化されていることが示されました。
初めてその店舗を知ったきっかけに関しても、「通りがかり」が38.3%と最多を占め、家族や友人からの紹介も18.6%で続きます。SNS経由での集客はわずか3.7%に留まり、いかに実生活の中での接点が重要かを物語っています。
生活者との接点設計の重要性
この調査が示唆するのは、「距離マーケティング」という新たな視点です。これは、SNSや広告、店舗での接客などの施策を単体で捉えるのではなく、それぞれの距離に応じて役割を明確に定義し、連携を図るアプローチです。
近距離マーケティングでは、すでに接点を持つ顧客に対するアプローチが重要で、来店中の体験や店舗での接客がその後の再来店に直結します。中距離マーケティングでは、生活圏内の人々に自然に見つけてもらう策略が求められ、遠距離マーケティングでは、認知を広める役割が果たされます。
再来店の仕組みとは
再来店の確率を上げるためには、来店時にお客様に対してどのような案内や仕掛けがあったかも重要です。調査によると、初回来店時に「特になかった」と感じた人は35.8%にのぼり、さらには「何もしていない」と回答した人が58.2%にも達しています。これにより、多くの店舗が再来店のきっかけを十分に生かしていない現状が浮かび上がり、店舗側の課題が明らかになりました。
SNSの役割を再評価
SNSや広告は、確かに重要な役割を果たしておりますが、来店中や生活動線の中での体験の方が、再来店意欲に大きく影響を与えることが分かりました。今回の調査結果は、実店舗集客において、単なる施策名で考えるのではなく、顧客との距離を意識し、集客施策を見直すことが必要であると示しています。このように、デジタルな接点だけでなく、リアルな接点の大切さを再確認する機会となりました。
結論
SNSや広告は、「遠くの人に知ってもらう」ためには重要ですが、実際に来店体験や生活圏内での接点こそが「また行こう」という気持ちを生み出す原動力であるといえるでしょう。店舗経営者がこの視点を持ち、距離に応じた接点設計を行うことで、より強固な集客戦略につながっていくことが期待されます。今後の実店舗の集客施策においては、この距離マーケティングの概念をぜひ取り入れてほしいと思います。