足利銀行が実現したWeb上での非対面サポート改革と金融DXの新しい道
栃木県宇都宮市に本拠を置く足利銀行が、自行のウェブサイトにHelpfeel製の検索型AI-FAQを導入しました。この取り組みは、金融業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、顧客体験の向上につながっています。AI技術を活用することで、銀行業務における効率化と顧客利便性の向上が図られています。
導入の背景:電話サポートの負担
足利銀行では、WEB上の「よくある質問」が670件近く整理されていますが、顧客が必要な情報をスムーズに見つけることができず、多くの顧客が「探すよりも問い合わせた方が早い」と考えるようになっていました。その結果、月間で約4,000件もの電話問い合わせが寄せられる状況に陥っていました。限られた人員と電話の応対時間が制限されている中、顧客のニーズに応えきれない課題が明らかになるばかりでした。
このような状況を改善するために、足利銀行は2024年4月から24時間365日対応可能な自己解決環境を整備することを決定し、Helpfeelを導入しました。
導入の効果:顧客の自己解決を促進
導入後、顧客からの問い合わせに関連する下記の成果が得られました。
- - 電話問い合わせを1割削減: 以前は増加していたインターネットバンキング関連の問い合わせが減少し、前年比で1割の削減に成功しました。
- - 顧客の自己解決が進む: 月間で2万セッションを超えるアクセスをFAQページに記録し、多くの顧客が営業時間外でも質問を自己解決できる環境が整いました。
- - 問い合わせフォーム経由の自己解決: 問い合わせフォームにHelpfeelを追加した結果、約7割の顧客が疑問を自ら解消しました。
これにより、顧客の問い合わせにかかる時間と手間が減少し、コールセンターでは専門的な対応や提案業務に注力することができる体制が進んでいます。
データ活用によるサービス改善
さらに重要なのは、FAQ検索データの分析を通じて顧客の潜在ニーズを正確に把握し、サービス改善に繋げている点です。例えば、「口座番号の確認方法」がよく検索される結果を基に、オンライン上で手続きが完結できる仕組みを新たに構築しました。
このように、顧客の声を反映させるための社内連携が強化され、サービス展開に迅速に対応できる体制が確立されています。
将来の展望:安定運用と共創コミュニティ
足利銀行では、定期的な人事異動に影響されない安定したFAQ運用を維持すべく、Helpfeelのカスタマーサクセス支援を活用しています。また、コールセンターのログとFAQデータの連携を強化し、さらなる顧客利便性の向上を目指しています。
さらに、Helpfeelが運営する「地銀AIコミュニティ」に参加し、他の地方銀行との知見の共有も進めています。このコミュニティを通じて、業界全体での課題解決や金融DXの推進を図ると同時に、より良い顧客体験を提供していくための取り組みを続けていきます。
詳細な情報は
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まとめ
足利銀行の取り組みは、金融業界におけるデジタル化の好例であり、顧客のニーズに応える新たなサービスモデルによって、効率化や業務改善が進む姿を見ることができます。今後もこの流れが続き、さらなる革新が生まれることを期待しましょう。