広告業界の脱炭素化への挑戦：カーボンカリキュレーターの共同開発始動

広告業界の未来を見据えた新たな技術の開発

株式会社電通クリエイティブピクチャーズは、業界全体のカーボン排出量を可視化し、削減を目指すための取り組みを発表しました。このプロジェクトは、一般社団法人日本広告業協会（JAAA）、一般社団法人日本アド・コンテンツ制作協会（JAC）、および一般社団法人日本イベント産業振興協会（JACE）と共同で進められています。

カーボンカリキュレーターの設計

この新しいカーボンカリキュレーターは、「Carbon Calculator for Movie Production（CCMP）」を基盤にしており、広告制作やイベント活動に伴う温室効果ガス（GHG）の排出量を測定し管理するための仕組みを整えることが目指されています。これにより、広告業界の新しい基準づくりが期待されています。

2023年に発表された電通グループの「Decarbonization Initiative for Marketing（DIM）」において、これは重点的な施策の一つです。この取り組みは、広告・制作・イベントの各分野で企業が相互に連携しながら進められることに意義があります。

カーボン排出の可視化の重要性

温室効果ガス削減は、企業活動においてますます重要な課題とされていますが、広告・マーケティング領域においても同様です。広告制作を通じて大きな影響を持つこの業界において、排出量を測定し、適切に管理するための仕組みが必要です。今回のカリキュレーターの導入により、広告会社、制作会社、イベント会社が統一された基準に基づいて行動を起こすことができるようになります。

このカリキュレーターは、国際的な算定基準に基づいて設計され、国内外の実務に符合するよう進化していきます。今後は実際に活用されることを見込んで、細部の精緻化や実証実験も行われる予定です。また、使用する際のガイドラインも策定され、関係者全員が参照できる参考資料となることを目指しています。

これからの広告業界の展望

電通クリエイティブピクチャーズは、この取り組みを通じて業界全体の持続可能性を向上させ、責任あるコミュニケーションの実現を目指しています。広告分野では、環境問題への意識が高まりつつあり、企業として社会的責任を果たすことが求められています。カーボンカリキュレーターの開発を通じた脱炭素化は、広告業界にとって必要不可欠なステップと言えるでしょう。

今後の業界の動向に注目し、このカリキュレーターがどのように実際の運用に役立てられるか、期待が高まるところです。持続可能な未来に向けて、広告業界がどのように貢献できるか、さまざまな可能性が広がっています。