持続可能な未来に向けた岡山大学のカーボンニュートラル勉強会の概要

岡山大学でのカーボンニュートラル勉強会の開催

2025年3月31日、岡山大学による「岡山大学カーボンニュートラル拠点事業勉強会」が岡山コンベンションセンターにて開催されました。この勉強会には、自治体、企業、学術機関などから約80人が参加し、環境問題に関する連携の重要性が強調されました。

勉強会の背景と目的

この勉強会は、岡山大学が推進するカーボンニュートラル拠点形成事業の一環として、地域資源を有効活用しながら持続可能な社会の実現に向けた具体策を模索するために行われました。特に岡山や瀬戸内地域は、豊かな森林、海洋資源、大型化学コンビナートといった地域特性を持ち、環境循環モデルの構築に最適な場所とされています。

開会に際して、学術研究院環境生命自然科学学域の小野努教授が登壇し、カーボンニュートラル実現に向けた産業界、学術界、地域社会の連携の重要性について力強く述べました。彼は特に、地域独自の資源を元にした取り組みが社会の変革へとつながると期待を寄せています。

講演内容の概要

続いて、成蹊大学理工学部の里川重夫教授は「カーボンニュートラルな合成燃料の製造方法と最近の動向」と題して、自身の専門知識をもとに合成燃料に関する技術や課題を紹介しました。固定された水素のコスト問題や、地域全体の電力グリッドの整備が持続可能なエネルギー供給の鍵であることが指摘されました。

また、岡山大学の佐野亘助教は「ブルーカーボン～海草による炭素固定の原理～」と題した講演で、海洋資源を活用したカーボン固定のメカニズムについて説明しました。海に囲まれた日本は、ブルーカーボンのポテンシャルが高いものの、研究の進展が遅れている現状も述べられました。