クィア美術の新展開
2025-11-19 11:29:11

ネルソン・ホーの個展で感じるクィア美術の新たな境地

ネルソン・ホー個展「鏡中花、水中月」へのご案内



東京・新宿にある√K Contemporaryでは、2025年12月6日から27日まで、マレーシア出身のアーティスト、ネルソン・ホー(Nelson Hor)の個展「鏡中花、水中月 - A Mere Reflection of Flower and Moon」が開催されます。この展覧会は、現代アートとLGBTQ+の視点を重ね合わせることで、審美的な表現を通じたメンタルヘルスやアイデンティティについての新たな理解を提供します。

アーティストの背景と意図


ネルソン・ホーは、プノンペンに生まれ、多摩美術大学で日本画を学びました。彼の作品は、岩絵具や陶芸、写真、インスタレーションなど多様なマテリアルを使用し、クィアとしての経験や宗教文化との葛藤をテーマにしています。「イスラム宗教色の強いマレーシアに育ったゲイの私にとって、美は宗教に代わるものでした」という彼の言葉は、彼の芸術活動の根底にある思考を示しています。

本展のタイトルである「鏡中花、水中月」は、中国語の慣用句「鏡花水月」に由来し、美しさが儚さを伴うものであることを示しています。ネルソンの作品はそのような美の儚さを、私たちに伝えてくれます。彼はLGBTQの視点から美というテーマを深め、クィア社会における美の価値を問い直します。

展覧会の見どころ


個展では、ネルソン・ホーによる新作が多数展示されるだけでなく、イサム・ノグチや水之江忠臣、柳宗理といった日本のデザイン史に名を残す家具も展示されます。これにより、彼の作品と日常の美が融合した空間が生み出され、訪れる人々は日常の中に芸術を体感できるでしょう。また、このギャラリー全体が“クィアの聖域”として再構成されることで、普段の美の概念が問われる場となります。

美はもはや贅沢品ではなく、精神的サバイバルのための必需品としての側面を持つのです。ネルソンの視点はセクシュアリティや背景を問わず、平凡な日常の中でより深い意味を提供してくれることでしょう。

具体的なイベント情報


また、展覧会中のイベントとして、内海潤也氏をお招きしたギャラリートークや、Drag Queenパフォーマンスも予定されています。ギャラリートークは12月6日の18時からで、内海氏によるネルソン・ホーに関する深い洞察が期待されます。

さらに、12月13日には、Nixie HumidityとAndromedaによるドラァグクイーンパフォーマンスも行われ、クィアアートの新たな表現を楽しむことができます。ネルソン・ホーは「ドラァグクイーンの舞は、魂を讃える神聖な儀式になるだろう」と語っています。このように、展覧会はアートとパフォーマンスが交差することにより、一層の魅力を増しています。

まとめ


ネルソン・ホーの個展「鏡中花、水中月」は、深い意味を持った芸術作品が集まる場であるとともに、現代社会におけるクィアの美学を探求する機会でもあります。ぜひ多くの皆様に足を運んでいただき、彼の作品を通じて心を揺さぶられる体験をしてほしいと思います。

展示情報
  • - 会期:2025年12月6日(土)~12月27日(土)
  • - 開場:√K Contemporary(東京都新宿区南町6)
  • - 開廊時間:13:00–19:00(休廊日:日・月)
  • - 詳細情報HERE


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