biontoの挑戦
2025-09-25 15:40:31

東北大発の新進バイオテックスタートアップ biontoが資金調達に成功

東北大発の新進バイオテックスタートアップ biontoが資金調達に成功



宮城県仙台市に本社を置くバイオテックスタートアップ、biontoがシードラウンドでの資金調達を実施し、総額6000万円を確保しました。本企業は、独自の生体イオントロニクス技術を基に、医療およびヘルスケアの未来を創造することを目指しています。

医療ニーズの急拡大



2023年度の医療費は過去最高の47兆円を超え、高齢化社会における医療費の増大が喫緊の課題となっています。この状況下、在宅医療のニーズも急速に高まり、医師不足や地域格差といった構造的な問題が一層深刻化しています。この課題に対処するためには、セルフケアやセルフメディケーションを支える革新的な技術が必要です。

イオントロニクス技術の基盤



biontoの開発の根幹には、東北大学大学院工学研究科の西澤松彦教授が提唱したイオントロニクス技術があります。イオントロニクスとは、電解質と電子工学を組み合わせた技術であり、人体内の水分に含まれるイオンの動きを利用して情報やエネルギーを制御・伝達することが可能です。西澤教授は、この分野の権威として数多くの研究成果を発表しており、彼の技術がbiontoの製品にも生かされています。

画期的な薬剤投与システムの開発



biontoは、皮膚から非侵襲的に薬剤を投与する革新的なドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発を進めています。これは医療機関への通院を必要とせず、患者の負担を軽減するもので、注射や飲み薬の課題をクリアする可能性を秘めています。特に、高速浸透ニードルデバイスは、多量かつ迅速な医薬品投与を可能にし、医療だけでなくヘルス&ビューティ業界でも期待されています。

資金の使途と今後の展開



今回調達した資金は、主にプロダクト開発の推進や人材採用の強化などに充てられます。具体的には、エンジニアや企画開発に携わる人材の採用を強化し、ヘルスケア関連企業とのアライアンス構築です。

biontoのビジョンには、地域課題の解決と新たな医療イノベーションが組み込まれています。特に、政府が策定したスタートアップ育成計画においても、大学発スタートアップの重要性が強調されており、biontoはそのモデルケースとして注目されています。

地方の大学が生み出すイノベーション



2023年に国際卓越大学として認定された東北大学は、世界最高水準の研究を示しています。特に、地域医療の課題に対して独自の技術を駆使し、解決策を提供しようとするbiontoの取り組みは、地方創生や大学発イノベーションの新たなモデルとして評価されています。

投資家や創業者のコメント



PARTNERS FUNDの藤井智史氏は、biontoの将来性を確信しており、特に妹尾社長と西澤教授の連携に期待を寄せています。diontoの代表、妹尾浩充氏は多様なバックグラウンドを持ち、今回の資金調達を機にセルフケアの革新を目指す決意を新たにしました。また、最高科学責任者の西澤教授は、イオンのダイナミクスを応用し、人々の健康に寄与する製品作りを進める意義を強調しています。

最後に



biontoは、医療が直面する様々な課題に挑戦し、新しいヘルスケアの形を提案しています。今後の展開に注目が集まる中で、群を抜いた技術と強い想いを持つ彼らの製品がどのように社会に革新をもたらすのか、期待が膨らみます。次回は、ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット2025での展示も行う予定で、さらなる進展が楽しみです。


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