Z世代の就活事情:AI影響を認識するも行動に繋がらず
最近行われた株式会社ベースミーの調査では、約300名の大学生と大学院生に対して就職活動に関する意見が集められました。この調査の結果、約6割の学生が自分の志望職種はAIの影響を受けると認識していることがわかりました。しかし、実際に就職活動においてその影響を考慮しているのはわずか7%に過ぎないことが明らかとなりました。
AI影響の認識と就活への反映
調査では、志望職種にAIの影響を感じていると答えた学生は、具体的にどのようにAIの影響を就活に活用しているのかという点が、非常に興味深い結果を示しました。約159名の学生が「やや影響を受ける」と感じている一方で、具体的なキャリア選択にはあまり適用できていないとのことです。
例えば、大半の学生は「多少気にしているが重視していない」と回答し、AIの脅威や影響を理解しつつも、キャリアの選択にはなかなか繋がっていない実情があります。
安定志向が強い学生たち
さらに、就活生の約7割が企業選びにおいて安定性を重視しているという結果も出ました。多くの学生が大手企業を第一選択にする傾向があり、これは彼らの価値観や求めるキャリアパスに深く関わっています。自由な働き方を求める数少ない学生もいますが、全体としては安定した企業に魅力を感じているようです。
AI時代に求められるスキルとは
興味深いことに、学生たちはAIに対応するためにどんなスキルを身につけたいと考えているのでしょうか。調査結果によると、専門的な技術よりも「コミュニケーション能力」「ネットリテラシー」「企画力」など、人間ならではのソフトスキルに高い関心を寄せていることがわかりました。
特に、安定志向の学生からは「コミュニケーション能力」をトップに挙げる意見が多く、逆に成長を目指す学生は語学力やプログラミングといった具体的な技術スキルを重視する傾向があります。
Z世代就活生の未来を考える
これらの結果から、Z世代の就活生はAI時代の影響を認識している一方で、どう具体的に活用すべきか明確な指針を持っていないということが明らかになりました。株式会社ベースミーのCEOである勝見仁泰氏は、この状況を受けて、今後のキャリア支援の重要性について語っています。
基準の変化に柔軟に対応できるように、学生に対する価値観に基づいたキャリア支援や、AI時代に必要な技能を習得するための支援が求められています。
そのため、BaseMeではAIを利用した価値観マッチングや、具体的なキャリア戦略の提案を通じてZ世代のキャリア形成をサポートしていくことを目指しています。普段の生活の中でキャリアに対する意識を高めるための取り組みが今後の鍵となるでしょう。
まとめ
近年、社会の様々な場面でAIが影響を及ぼす中、Z世代の就活生のキャリア観や求めるスキルは興味深い変化を見せています。AIの影響をしっかりと認識しつつも、実際の就職活動には十分に反映されていないため、学生たちが自分のキャリア選択をより具体化させるための支援が必要です。今後、企業や教育機関がどのようにこれらのニーズに対応していくのか、注目が集まります。