AIと不動産仲介力
2026-09-10 12:05:54

AI時代における不動産仲介力の実態と今後の展望

AI時代における不動産仲介力の実態と今後の展望



不動産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、株式会社Faciloは中央大学と連携して「AI時代の仲介力」に関する共同研究を実施しました。この研究は、不動産仲介における「人ならではの価値」を学術的に捉え、AIが業務に与える影響を探るもので、先行研究と国内調査に基づいています。

研究の背景


近年の不動産市場では、AIの導入が急速に進み、物件検索や提案、事務作業の効率化が図られています。しかし、価格交渉や信頼関係の構築といった重要な局面では、依然として人間の営業担当者が重要な役割を担っています。この人間の価値は、十分には測定されていないと認識されています。

調査は不動産売買経験者1,244人を対象に行われ、AIの普及にもかかわらず、不動産購入や売却において人への期待は根強いことがわかりました。この調査結果を受けて、Faciloは不動産仲介の未来を担う人材の育成に向けた取り組みを開始することを決定しました。

共同研究の進捗


中央大学の研究開発機構は、産学官連携による学際的研究を推進しており、Faciloはその一環である「不動産ビジネスデザイン研究ユニット」に参画しています。このユニットでは、AI時代における不動産仲介に対する顧客の期待を調査し、仲介担当者が発揮すべき能力を明らかにすることを目指しています。

調査の結果


調査によれば、営業担当者は購入・売却それぞれのプロセスで主要な情報源となり、特に取引の最後ではその重要性が増すことが確認されました。一方で、AIは補助的な存在にとどまっていますが、AIを定期的に利用している層からは、取引過程で見逃せない情報源としての期待が高まっています。

本研では顧客の価値観やニーズを読み取る「対人力」、隠れたリスクを提示する「専門力」、顧客に合った提案を行う「提案力」という三つの能力が特に注目され、これらが今後の不動産仲介業務における「仲介力」として測定されていきます。

無償講座の実施


Faciloは、AI時代における仲介力を発揮することを目指し、2026年に実施される宅地建物取引士資格試験の受験者向けに「Facilo宅建講座 直前対策」を無償で提供することを発表しました。この講座は、AI技術の重要性を認識しながらも、人の価値を生かした不動産取引を実現するための支援を目的としたものです。

今後の展望


Faciloはこの取り組みを第一弾として、さらなる教育プログラムの展開を計画しています。将来的には仲介力の育成支援や、不動産業界のニーズに応じた新しい提案を行い、AIと人間の役割分担を明確にしていく意向を示しています。また、中央大学との協力は今後も続き、第一線での研究成果の蓄積が期待されます。

市川紘CEOは「AIによって仲介業務が消失するのではなく、むしろAIによって人の価値が増幅される」とコメントしており、実際に経験した顧客体験の質向上を目指しています。今後の不動産仲介業界において、「仲介力」の重要性は増していくことでしょう。これからの人材育成における成果の蓄積は、業界全体にも良い影響をもたらすと期待されています。


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