タカミヤが足場運搬ロボット「TLEVER」を発表
建設業界での人手不足が深刻化する中、株式会社タカミヤは、足場を運搬するロボット「TLEVER」を開発し、2025年7月からレンタルサービスを開始することを発表しました。このロボットは、利便性と効率性が高く、建設現場の作業環境を大きく改善することが期待されています。
背景:人手不足がもたらす影響
建設業界は、過去数十年にわたり人手不足が続いており、1997年の685万人をピークに、2024年には477万人にまで減少すると予測されています。この状況は、業界全体にとって大きな課題です。特に、足場作業においては、約70%の作業時間が部材の運搬に費やされています。従来の人力による運搬は、身体的負担や、非効率性、そして事故のリスクをもたらしています。
TLEVERの特長
TLEVERは、これらの課題を解決するために設計されています。バランスの取れた機能を持ちながらも、軽量で簡単に導入できるのが大きな特徴です。
- - 軽量設計: 本体重量はわずか28kgで、重機なしでも容易に設置可能。
- - 圧倒的な運搬能力: 最大500kgを一度に運べ、実働8時間のバッテリーも搭載。
- - 安定走行: 不整地でも安定した運搬が可能なパイプレールを採用。
- - 3段階の安全対策: 障害物を感知するセンサーを搭載し、安全を確保。
これらの特長により、TLEVERは作業員10人分の運搬能力を発揮し、過酷な作業から従業員を解放することができます。実証実験では、TLEVERを用いることで作業工数を1/3に削減することに成功しています。
現場での活用が期待される場所
TLEVERは、以下のような特殊な現場条件で特にその効果を発揮します。
- - クレーンが届かない狭い場所
- - 車両が進入できない搬入路
- - 天井が低い空間
- - 高所など危険を伴うスペース
- - 不整な地形での作業
未来への展望
タカミヤは、TLEVERのレンタル提供を通じて、稼働実績をデータ分析し、現場ごとに最適化した工程管理を提案することを目指しています。ロボット技術を活用し、建設業界の人材不足の解消や安全な作業環境の実現に貢献する意向です。
TLEVERの基本仕様
- - 最大運搬荷重: 500kg
- - 搬送スピード: 1.3km/h
- - 登坂能力: 5%
- - 本体重量: 28kg
- - 充電時間: 6~7時間
- - 安全機能: 4つの停止機能と防滴仕様
タカミヤプラットフォームの一環
TLEVERは、タカミヤが提供する「タカミヤプラットフォーム」の一部であり、業界の課題解決に向けたソリューションを広範に展開しています。その中には、オンラインで機材を注文できる「OPERA」や、機材管理サービス「OPE-MANE」が含まれています。
タカミヤは、持続可能な建設業界の実現に向けた革新に努め、今後も新たな技術開発を推進していく方針です。これにより、業界全体の生産性向上を目指し、より良い労働環境を提供することが期待されます。