靴職人・三澤則行がInternational Design Awards 2025で金賞を受賞
靴職人でありアーティストとして知られる三澤則行氏が、アメリカの「International Design Awards 2025」(IDA)において金賞に輝きました。この国際的なデザイン賞は、70カ国以上から出品された作品の中から選ばれ、三澤氏の作品はその独自のデザインと明確なビジョン、現代のデザインシーンへの貢献が高く評価された結果です。
三澤氏はこれまでに多くの個展や展示会を成功させ、映画監督のスパイク・リーをはじめ、宮内庁とのコラボレーションも行ってきました。さて、今回受賞に導いた作品はシリーズ第6作目となる「MUSIC Ⅵ ~ホルン~」です。これは、音楽の持つ美しさと靴を革新的に融合させた一品です。
受賞作の特徴は、管楽器ホルンの曲線や音の通り道をインスピレーションにした設計にあります。特に、インソールとアウトソールをつなぐウェルト部分を空洞構造にすることで、視覚的な美しさだけでなく、楽器の本質的な構造を靴に落とし込んでいます。使用された素材は未着色で経年変化に富むヌメ革。これにより、時間の経過とともに作品が変化し続け、その魅力が増していきます。このように、視覚と身体感覚の双方に訴える作品として、多層的な表現が可能となっています。
International Design Awards(IDA)は、2007年にロサンゼルスで創設された国際デザイン賞です。建築やプロダクトデザイン、ファッションなどさまざまな分野で数々の優れたデザインを顕彰する目的で設けられました。今年は第19回目の開催となり、業界の著名な建築家やデザイナーが審査員を務めることでも知られています。2025年の受賞式は、2026年2月8日にタイのバンコクで行われる予定です。
三澤則行氏は、これまでにも多くの受賞歴があり、2010年にはドイツでの国際靴職人技能コンテストで金メダルを受賞。さらに、2021年と2022年にはアメリカの「GLOBAL FOOTWEAR AWARDS」で総合優勝を果たすなど、輝かしい経歴を持っています。
彼の個展は日本国内外で数多く開催され、近年ではニューヨークやロンドン、シンガポール、パリなど、国際的な舞台でも活躍中です。今年11月にはイタリア・ローマでの個展も控えており、今後も彼の作品が世界中で注目を集めることでしょう。
靴職人・三澤則行のアート作品の魅力
三澤氏の靴は、単なる履物を超えたアート作品として評価されています。音楽と靴のフォルムを結びつける試みや、素材へのこだわりが感じられます。彼の靴は見る人に感動を与えるだけでなく、実際に履くことで新たな体験を提供します。彼は靴を通じて、視覚と感覚を融合させ、時には音楽のように感情を呼び起こす作品を生み出しているのです。
将来的には、新たな作品がどのように進化していくのか、また国際的な舞台でどのように評価されていくのか注目が集まります。三澤則行氏の今後の活躍に大いに期待しましょう。