東京で実現したスピルリナの室内培養技術の進展
株式会社アルヌール(東京都渋谷区)は、同社のR&Dセンターにおいてスピルリナの室内培養に成功したと発表しました。この技術は、微細藻類の特性を最大限に引き出すことを目的として、これまで開発されてきた成果の一環です。
スピルリナとは?
スピルリナ(学名:Arthrospira platensis)は、アルカリ性の湖沼に生息するシアノバクテリアの一種です。豊富な栄養素や健康成分が含まれ、健康食品として非常に注目されています。特にカロテノイドであるβ-カロテンやゼアキサンチンが多く含まれ、ビタミンAに変換されることでも知られています。また、青色色素フィコシアニンも含まれ、食品の着色料としても広く用いられています。
室内培養の成功
アルヌールが導入した培養装置は、室内でも高濃度にスピルリナを育てることが可能です。pHを9~10に調整したSOT培地を用いることで、微量の種株からでも高濃度の培養が実現しました。この技術により、将来的に高品質のスピルリナを様々な市場に提供できる見通しです。
今回は、培養の過程において得られた成果を参考に、スピルリナの顕微鏡写真も併せて公開されました。この発表によって、アルヌールの技術力が証明され、業界内でも大きな注目を集めています。
持続可能な社会に向けて
アルヌールでは、微細藻類やシアノバクテリアのポテンシャルを最大限に引き出し、人々の生活をより豊かにするための研究開発を行っています。具体的には、光合成を利用したCO2の固定と削減や新しい原料、飼料の開発、さらにはバイオ医療研究やエネルギー利用に関する研究に取り組んでいます。
このような事業を通じて、アルヌールは持続可能な社会の実現を目指しています。具体的には、自治体や企業、大学などに対し、培養技術や各種の培養装置の導入支援を行なっています。
提供する技術
アルヌールでは、以下のような技術の提供を行なっています。
- - 微細藻類の屋内培養
- - 培養条件の検討受託
- - 培養装置の導入支援
- - バイオリアクターの販売
- - 内容物の抽出・精製方法の研究
これらの技術を通じて、微細藻類の活用の可能性を広げるだけでなく、持続可能な未来のための新しいビジネスモデルの創出を支援しています。
まとめ
スピルリナの室内培養は、アルヌールの先進的な技術をもって実現されました。この成功は、環境に優しい持続可能な社会を構築するための重要なステップとなることでしょう。今後もアルヌールの取り組みに注目が集まります。さらなる技術の進展と、微細藻類の新たな利用方法に期待がかかります。