福島に新たに誕生する木造校舎
福島県福島市にある桜の聖母学院中学校で木造校舎の増築プロジェクトが進行中です。この取り組みは、地域の木材を活かした温かみのある学びの場を提供することを目的としており、エヌ・シー・エヌが開発した「SE構法」が採用されました。このセクションでは、この校舎増築の背景や意義、そして「SE構法」の特徴について詳しく解説します。
プロジェクトの意義
学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムが運営するこの学校では、児童・生徒・保護者・職員が心地よく感じられるような校舎を実現するために木造の温もりを求めました。しかし、校舎の増築には法律上の耐火性能に関する厳しい基準が存在し、それに対応した技術が必須でした。そこで選ばれたのが、「SE構法」です。
SE構法とは
SE構法は、従来の鉄骨造やRC造の要素を木造建築に取り入れ、安全でありながら合理的な設計が可能なシステムです。高精度な構造用集成材と独自開発の高強度の接合金物を使用し、優れた耐震性能を実現しています。これにより、大開口や高い吹き抜けを自由にデザインできるため、開放感のある空間が生まれます。
燃えしろ設計の採用
令和4年に施行された建築基準法改正に伴い、「火熱遮断壁を用いた耐火建築物への木造増築」が可能になりました。この新たな法律に基づいて、「SE構法」を利用し、燃えしろ設計を取り入れることで、木の魅力を引き出しつつも、法的な耐火性能を満たすことができました。これにより、木造校舎にこだわった安全かつ魅力的な空間が生まれます。
環境意識を育む学びの場
増築された校舎には福島県産の木材を内装や家具に使用することで、地域資源を活かしつつ林業振興にも寄与しています。また、木の温もりを感じることで、心理的な安らぎをもたらしウェルビーイングの向上が期待されています。
このプロジェクトが完了すると、環境に配慮した学びの場として新たな歴史を刻むことになるでしょう。工期は2025年5月から2026年1月までの予定で、地元だけでなく広く関心を惹く内容となっています。
未来への取り組み
エヌ・シー・エヌは今後も「SE構法」を通じて、木造建築の普及と脱炭素社会実現に向けた取り組みを進めていく計画です。地域に根差しつつ、持続可能な未来のために手を取り合い、そして進化を続ける木造建築の可能性が期待されます。
施設情報
- - 建築地:福島県福島市花園町31番1外
- - 建築主:学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダム
- - 施設名称:桜の聖母学院小中学校校舎
- - 設計監理・施工:三井ホーム株式会社
- - 延床面積増築:1466.13㎡(443.50坪)
- - 構造:2階建て・木造軸組工法(SE構法)
- - 工事工期:2025年5月~2026年1月
木造校舎の増築がどのように地域社会に影響を与えるのか、そして今後どのように進化していくのか、注目が高まります。