酒粕から生まれる次世代素材開発の最前線を探る
スペースシードホールディングス株式会社は、岡山理科大学と共同で進めている次世代SPS(Spark Plasma Sintering)装置の研究開発の一環として、酒粕を原料としたグラファイトの試作を行いました。このプロジェクトは、従来のSPS装置の限界を超えた新しい素材創出技術の確立を目的としています。
酒粕を活用したグラファイト試作の背景
酒粕は、微生物由来の資源として注目されています。スペースシードホールディングスは、岡山理科大学の森嘉久教授との協力のもと、酒粕を炭素資源として利用し、焼結プロセスを通じて硬度や導電性を持つグラファイトを開発しています。これは持続可能な素材開発の一環であり、資源の有効活用を図る新たな試みです。
研究開発の進捗
このプロジェクトでは、酒粕を用いた試験を行い、その結果、一定の硬さを持つ焼結体としてのグラファイトが得られ、導電性も確認されました。この成果は、地球環境だけでなく、将来的な宇宙空間における高度な素材変換技術の確立に向けた重要なステップと位置付けられています。
宇宙での資源循環を視野に
将来的には、宇宙環境においても資源循環型社会の実現が求められます。そのためには、限られたバイオマス資源から高機能な素材を現地で生産する技術が不可欠です。次世代SPS装置が完成することにより、超高圧・高温環境下での焼結が実現し、酒粕を使ったグラファイトだけでなく、酒粕由来のダイヤモンドといった新たな高付加価値素材の創出にも挑戦できることが期待されています。
スペースシードホールディングスのビジョン
同社は今後も、岡山理科大学などの研究機関や企業との連携を強化し、産業と最先端素材科学の融合を目指した研究開発を進めることで、地球規模での循環型ものづくりの革新を推進していきます。2040年代には人類の宇宙定住に必要な技術の基盤を整えることを目指しており、この課題に対する取り組みは今後ますます重要になってくるでしょう。
スペースシードホールディングス株式会社について
企業は「SFをノンフィクションにする」というミッションのもと、投資活動や研究活動を通じて社会課題の解決を目指しています。また、発酵とロンジェビティー技術の社会実装を支援する「Fermentation and Longevity Fund」の運用を含むプロジェクトを行っており、持続可能な未来の実現に向けた取り組みを続けています。詳しくは、
公式ウェブサイトをご覧ください。
このように、スペースシードホールディングスの研究は私たちの生活や宇宙における未来の資源循環を支える重要なプロジェクトとして注目されており、今後の展開から目が離せません。