ペット防災の実態と飼い主の避難行動に関する調査結果
近年、天災が多発する中、ペットとともに暮らす飼い主たちによる防災対策が重要視されています。そこで、犬猫会員数35万頭を誇る手作りごはんブランド「CoCo Gourmet(ココグルメ)」を運営する株式会社バイオフィリアが、全国890名のペット飼い主を対象に行った調査結果が発表されました。この調査は、飼い主が災害時に関してどのような意識を持ち、また実際にどのように備えているのかを浮き彫りにしました。
調査の背景
環境省は、ペットとともに避難する「同行避難」を推奨しています。これは、飼い主がペットを連れて指定の緊急避難場所に避難する行動を指します。一方で、「同伴避難」は、避難所で飼い主がペットを世話できる状態を指します。この調査は、阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓から、ペットと飼い主が離れ離れになることを防ぐためのものです。しかし、実際のところ、多くの飼い主が避難所の環境に対する不安を抱えていることが明らかになりました。
調査の結果
調査の結果、日常的に愛犬や愛猫のために防災の準備をしている飼い主は約70%にも及びました。しかし、同じ空間で過ごせない避難所についての回答では、84.5%が「避難しない」と答えました。また、同じ空間で過ごせる避難所であれば避難する意向があるのは72.4%と、こうした環境への依存度が浮き彫りになりました。
避難所における主な課題には、第一に「どうぶつへのストレス」が挙げられ、次いで「別々の空間だと目が届かず不安」「暑さや寒さなどの環境」が続きました。これにより、多くの飼い主が避難所を利用しない理由が理解できます。一方で、最も多かった想定避難先は、77.9%が在宅避難で、66.6%が車やテントでの避難でした。
今後の対策
今回の調査を踏まえ、災害対策のさらなる充実が求められます。具体的には、以下の三つの対策が推奨されています。
1.
避難場所の確保:避難所だけでなく、親戚や知人宅、自宅避難など、事前に安全な避難場所のリストを作成し、家族で話し合っておくことが重要です。
2.
備蓄品の準備:少なくとも7日分のフードや水、常用薬を備えておく必要があります。特に、水分供給が重要で、ペットがシェアできる軟水が推奨されます。また、キャリーバッグやケージの準備も重要で、これがないと避難所に入れない恐れがあります。
3.
ストレス緩和のための日頃の訓練:ペットの緊張を和らげるために、日ごろからマッサージやリラクゼーションの時間を設け、安心できる環境を作ることが求められます。
特に、猫は普段の生活環境が変わることで大きなストレスを感じることがありますので、普段から非常用の食料や猫砂、薬を準備しておくことが必要です。
まとめ
今回の調査は、ペットと飼い主の安全を守るための貴重なデータを提供しています。一人ひとりがペットとともに安心して避難できる環境を整えるためには、情報の収集と事前の準備が不可欠です。愛するペットのためにも、防災意識を高め、万全の準備を整えましょう。未来の災害に備え、ペットとの安全を確実にするための行動が求められています。