福島県が語り継ぐ震災の教訓
2025年9月4日、JCOM株式会社が制作した伝承映像『震災アーカイブ「未来へつなぐ 語り部の声」』の最新作が特設サイトで無料公開されます。このプロジェクトは、東日本大震災からの教訓や経験を次世代に伝え、防災や減災に繋げることを目的としています。特に、震災を経験していない若者たちがその意義を理解し、伝承活動に参加する姿勢が強調されています。
語り部の若者たち
今回の作品は、福島県いわき市出身のアイドル、高萩千夏さんがレポーターを務め、彼女の同世代の語り部たちの活動と想いを取材しました。映像には、福島県双葉町の震災・原子力災害伝承館で働く若手職員、横山和佳奈さんと遠藤美来さんが登場し、震災当時の様子や今の想い、そして地域の未来について語ります。
横山さんは、小学校6年生で震災を経験し、祖父母を津波で失った悲しみから、日常生活の備えの重要性を語りかけます。彼女の赤裸々な体験は、見過ごされがちな備えの重要性を改めて考えさせてくれます。
一方、遠藤さんは地域の高齢者とのふれあいをきっかけに、震災の教訓を後世に伝える使命を感じ、伝承館での活動を始めました。彼女の言葉には、震災を振り返るだけでなく、未来に向けた具体的なメッセージが込められています。
中学生たちの取り組み
さらに、いわき市の中学校の生徒たちや、その担当教員である亀岡点先生も登場し、彼らが「中学生語り部講座」で行っている活動について語ります。震災が発生した年に生まれた子供たちが、自らの言葉で震災の教訓を学び、伝える意義に気づく様子が描かれています。彼らは、家庭で語り継がれた体験をもとに、自分たちの言葉で語り継ぐ努力を続けています。
高萩千夏さんの思い
レポーターとして関わった高萩さんは、自身も震災の経験者であり、「自分と同世代の語り部たちの姿に心打たれた」と語っています。そして、彼女はこの映像を通じて、震災やその教訓が多くの人に届くことを願っていると述べています。彼女の活動が、同世代の視点での伝承活動の重要性を強調しています。
未来へのメッセージ
J:COMは2025年度中に計4本の震災アーカイブ映像を制作・公開するとしています。震災から14年が経過し、震災の教訓を語り継ぐことが難しくなっている現代において、災害への備えやそれに関する対策が見直されることが求められています。この映像プロジェクトは、震災の教訓を未来へと伝える大切な試みといえるでしょう。観る者が少しでもその意味を感じ、行動に移すきっかけとなることを願っています。
最後に
震災を忘れないためには、直接の体験者だけでなく、次世代の若者たちがどのようにその想いを受け継いでいくかが重要です。この新作映像が、多くの人にそのきっかけを与えることを期待しています。