新時代のフェリー『さんふらわあ かむい』が就航
2023年1月21日、大洗港から新たにLNG燃料を使用したフェリー『さんふらわあ かむい』が初航海に出ました。このフェリーは、茨城県と北海道を結ぶ大洗~苫小牧航路を運航し、先代の『さんふらわあ だいせつ』に代わる新しい船となります。
LNG燃料の利点
LNG(液化天然ガス)を燃料に活用することにより、大気中への二酸化炭素(CO2)排出が約35%削減されます。この新しいフェリーには、エネルギー効率が高いエンジンに加え、斜め向かい風を揚力として利用する最新の「ISHIN船型」などが採用されています。また、内海造船が開発した省エネ装置「ステップ(Spray Tearing Plate)」も搭載されており、環境への配慮が徹底されています。
快適なスペースの提供
さらに、貨物車両の積載スペースが広がり、運転手のために全室が個室設計となりました。これによりトラックドライバーが快適に過ごせるよう配慮されています。また、フィットネスルーム、キッズスペースなどの充実したパブリックスペースや、ペットと一緒に乗船できる「ウィズペットルーム」も用意されています。
商船三井グループの取り組み
商船三井グループは、2025年には姉妹船『さんふらわあ ぴりか』の就航を予定しており、これにより大洗~苫小牧航路、大阪~別府航路でLNG燃料フェリーの運航体制を建立します。同グループは、全国6航路でフェリーを運航しており、その数は最大のものとなっています。
2050年までに、グループ全体でネットゼロ・エミッションを達成するための取り組みが進められており、クリーン代替燃料の導入が進められています。環境に優しい船の導入に力を入れることで、今後の内航フェリー事業の環境対応をリードすることが目指されています。
まとめ
『さんふらわあ かむい』の就航は、物流の効率化と環境への影響を同時に考えた新しい時代の幕開けとも言えるでしょう。快適な移動空間を提供しつつ、将来にわたる脱炭素社会の実現に向けた一歩を踏み出しています。生活のライフラインを支えるフェリーとして、今後の動向がとても楽しみです。