KDDIとSnowflakeが共催したデータ分析コンペ
2025年3月28日、KDDI株式会社とSnowflake合同会社が共催したデータ分析コンペ「KDDI Data Summit 2025」が開催されました。このイベントは、KDDIが構築した次世代データ基盤「TUKUYOMI」を用いて、社員がチームを組んで分析の結果を競うというものです。
このコンペはKDDIグループ内の「データ活用コミュニティハブ」の一環として、AIやデータを広く活用する機会を提供する目的で始まりました。初期の段階では初心者向けセッションやオープンデータを使った機械学習コンペが行われており、3年目となる今回は特に大規模なデータ基盤を活用しています。
TUKUYOMIについて
「TUKUYOMI」は、KDDIが提供する通信系、ライフデザイン系、金融系データを統合し、顧客情報を仮名加工した情報を用いて分析を行えるプラットフォームです。この基盤により、参加者は幅広い社内データを活用して、より具体的な洞察を得ることができるようになりました。
今回のコンペでは、サステナビリティや地域共創の観点から中期目標に貢献するためのテーマが設定されました。参加チームは、「未来社会の創造」「地域共創の実現」「カーボンニュートラルの実現」など、8つの課題から一つを選び、その解決を目指すプランを提出しました。
参加チームの発表内容
例えば、最優秀チーム「IPLチーム+新米DSチーム」は、加齢に応じた外出移動ニーズに注目し、高齢者が自分らしい生活を続けられるための解決策を提案しました。具体的には、免許が不要で安全に利用できる「電動車いす」を新たな移動手段と考え、そのビジネスモデルを分析しました。特に地域のサービス拠点に電動車いすを組み込むことで、顧客に提供できる価値を高める提案をしました。
さらに、「Wakabaチーム」は地域特性に基づいたデジタル社会の推進を図る施策を提案しました。具体的には、三重県の外出先でのスマートフォン利用が健康状態に与える影響を調査し、地域特性に適した「au PAYキャンペーン」を展開することで、住民の健康を促進するアイデアを提示しました。
品質管理部からの「品管ネ分チーム」は、観光地での通信品質向上を目指すキャンペーンを提案しました。このチームは特に健康志向の高いユーザーデータを分析し、顧客の健康促進と通信品質の改善を両立させる取り組みを行いました。
グランプリと評価
審査の結果、グランプリを受賞したのは「IPLチーム+新米DSチーム」で、特別賞には「品管ネ分チーム」がSnowflake賞を受賞しました。審査基準は「ソーシャルインパクト」や「アイデアの独創性」であり、各チームはしっかりとしたデータ分析に基づき、多くの示唆を提供しました。
優勝したチームのメンバーは、「Snowflake上でKDDIのデータを分析することにより、より実現可能なビジネス提案ができた」とその成果を強調しました。本コンペを通じて得られた経験と教訓は、今後の業務においても活かされることでしょう。
Snowflakeの役割
Snowflakeは、データの活用を促進し、企業のAIデータ戦略の実現に貢献します。今回のイベントを通じて、KDDI社内でのデータ活用文化がさらに進化し、地域と企業の接点を強化する契機ともなりました。
このように、KDDIとSnowflakeの連携は、未来社会の構築に向けた大きな一歩となり、今後の展開が期待されます。