近距離モビリティ『ウィル』が変えるシニアの健康づくりの未来

WHILL株式会社が、埼玉医科大学と共同で近距離モビリティ『ウィル』の活用を通じて、身体活動量や身体機能の変化に関する研究を開始しました。この研究は、高齢化が進む日本において、シニアのQOL（生活の質）向上に繋がる可能性を探ります。

高齢者の健康課題

日本では、65歳以上の人口比率が3割に迫り、高齢者の外出機会が減少していることが懸念されています。この外出機会の減少は、フレイルや要介護者の重度化を招く原因ともなり、日常生活における身体活動が重要視されています。特に、家事やショッピングなど、日常的な軽度の身体活動は健康維持に繋がると考えられています。

『ウィル』の役割

近距離モビリティである『ウィル』は、免許不要で歩行領域を自由に走行できる設計がされています。シニアだけでなく、幅広い年齢層に利用されており、そのシンプルな操作性やデザインが注目されています。実際のユーザーからは、『ウィルを使い始めて日常の移動が楽になった』という声が多く寄せられ、生活活動範囲が広がったとのことです。

研究の目的と概要

この研究は、ウィルを使用する前と後での身体活動量と身体機能の変化を調査し、シニアの日常生活における影響を定量的に評価することを目的としています。具体的には、ウィルを初めて使用する成人20名を対象に、導入前、導入後1週間、さらに3か月後の身体活動状況を観察します。

活動量や身体機能の測定方法

1. 導入前：対面アンケートで過去の活動状況や外出目的、身体機能を測定します。特に注目するのは、下腿周径や握力、5回立ち上がりテストなどの評価です。
2. 導入後1週間：ウィルの使用状況や感想を確認し、再度身体活動量を測定します。
3. 導入後3か月：同様にアンケートを行い、身体機能を再評価して活動量を測定します。

WHILL社と埼玉医科大学の協力

WHILL社は、ウィルの導入に際する情報提供を行い、医療機関との連携を深めています。特に、ホンダカーズなどの正規販売店を通じて相互に専用情報を提供し、よりスムーズな調査を実現します。

『ウィル』の特徴と未来

ウィルは電動車椅子として設計されており、介護保険レンタルの対象モデルもあります。段差を乗り越える能力や滑らかな乗り心地が特徴で、軽量なモデルも存在し、手軽に使える点が魅力です。今後も、シニアの健康維持や自立支援へ向けた研究が進められ、全ての人が快適に移動できる社会を実現するための取り組みが期待されています。