カルタノバとJIHSがAMR対策で共同研究スタート、未来の医療に貢献目指す

カルタノバとJIHSが取り組むAMR対策の全貌

カルタノバ株式会社は、国立健康危機管理研究機構（JIHS）との共同研究を通じて、薬剤耐性（AMR）問題の解決に向けた新たな取り組みを開始しました。AMRは、世界的に重要視されている健康課題の一つで、2050年には年間1,000万人の死亡者や経済損失が予測されています。本研究では、日本国内の医療機関から収集した耐性菌の情報をもとに、臨床判断を助けるシステムの開発を目指しています。

共同研究の背景と目的

AMRは「サイレントパンデミック」と称され、気づかれにくい感染症の危機の一環とされています。特に日本では、年間8,000人超の関連死があり、その対策が急務とされています。今回の共同研究では、デジタル技術を用いた臨床意思決定支援システム（CDSS）の開発を行い、医療現場の付加価値を高めることを目的としています。

JIHSとカルタノバが目指す未来

JIHSは、2025年に発足した国立機関で、感染症対策や健康危機の管理を専門としています。AMR対策はもちろん、国際協力を通じて、デジタル技術を駆使した持続可能な医療システムの実現を目指しています。カルタノバとJIHSは、既存の監視システム「JANIS」などを活用し、地域の医療環境における感染症対策の向上を図ります。

NOVA IDアプリの革新性

カルタノバが開発した臨床AIアプリ「NOVA ID」は、患者情報をリアルタイムで可視化し、診療フローに基づいて抗菌薬の適正使用を支援する機能を備えています。このアプリは、医療現場での意思決定をサポートするだけでなく、地域間の情報格差を是正することも目指しています。また、将来的には音声入力機能の追加も計画されており、医療従事者の負担軽減にも貢献する予定です。

具体的な活動と国際展開

今回の共同研究では、国内のデータを基にした感染症監視体制の構築が進められ、デジタル技術を積極的に活用する方向性が示されています。また、ウクライナなどとの連携を通じて海外市場にも展開する計画があり、国際的なAMR対策ネットワークの強化を図ります。

今後の展望

今年の12月には、JIHSとカルタノバが共催したイベントが開催され、共同研究の開始が発表されました。これを機に、国内外の医療従事者や専門家との連携を強化し、AMR対策における国際的な協力を進める意義があります。カルタノバとしては、各地方での医療実践に基づいた仕組みづくりを行い、持続可能な感染症対策を地域生活に根付かせていく所存です。