放送信号の長距離伝送が革新！スカパーとメディアリンクスの共同技術

放送信号の長距離伝送が革新！

スカパーＪＳＡＴ株式会社、セイコーソリューションズ株式会社、そして株式会社メディアリンクスが共同で放送信号の新しい長距離伝送技術を開発しました。今回のプロジェクトの中核をなすのは、スカパーＪＳＡＴが提供した長距離イーサネット回線を用いた高精度PTP同期伝送の実施で、これまで不可能とされていた放送信号のIP回線による伝送が現実のものとなりました。この技術は、特に東京から鹿児島までの長距離をカバーしており、今後の地上デジタル放送の効率化に大きな期待が寄せられています。

1. 背景：放送の重要性と技術的課題

地上デジタル放送は、国民に向けた重要な情報を届けるためのインフラとして欠かせないものです。しかし、放送信号を正確に遠方まで伝送するには、多くの課題があります。無線通信に依存しているために、中継局の設置コストや地理的制約が大きな障壁となっていました。そのため、スカパーＪＳＡＴは、イーサネット回線を活用して安価かつ低遅延で高品質な放送信号の長距離伝送を構想しました。

2. 実施内容：MDP3020 SFNの活用

今回のプロジェクトでは、メディアリンクスの製品MDP3020 SFNを使用して、IP/PTP技術に基づくSTL/TTL伝送ソリューションを提供しました。この技術を用いることで、放送信号は放送局から送信所、または送信所間で安定して伝送されることができます。また、セイコーソリューションズのグランドマスターTS2910を活用して高精度な時刻同期を実現しました。

長距離エステネット回線において、約1,000kmの距離で高精度PTP同期伝送が行われたことは、放送インフラの柔軟性と信頼性を向上させる重要な一歩です。これにより、将来的には地上デジタル放送やその他の信号伝送方式における業務効率の向上が期待されています。

3. メディアリンクスの役割と今後の展望

メディアリンクスは、IP伝送ソリューションのリーダーとして国際的に認知されています。エミー賞を受賞した背景には、卓越した技術力と信頼性の高いサービスがあるためです。彼らのソリューションは、放送局やサービスプロバイダーに向けて高品質な映像とデータ送信を保証しており、常に進化を続けています。

また、地上デジタル放送の信号伝送の効率化を図るために、メディアリンクスはIPポートフォリオの充実を図り、業界の標準規格と互換性を持たせることで、リモートプロダクションやクラウドサービスなど多様化するニーズにも応えられるようになります。

結論

スカパー、セイコーソリューションズ、メディアリンクスの三社が協力することで、新たな放送信号の長距離伝送が確立されました。この技術は、未来の放送インフラの改善に向けた重要なステップであり、視聴者にとってもより質の高い情報伝達が期待できます。今後もこの技術がどのように進化し、放送業界に与える影響に注目していきたいと思います。