北杜LiB試験センターの開所式と特別セミナー
株式会社ケミトックスは、山梨県北杜市に新たに設置した「北杜LiB試験センター」の竣工を祝うため、2025年10月6日に特別セミナーを開催しました。このイベントは、ベルクラシック甲府にて実施され、参加者数は当初の予定を大幅に上回る130名に達しました。業界関係者や研究者、技術者たちが集い、意見交換や情報共有の場となり、現場の最新技術に触れる貴重な機会が提供されました。
講演内容の概要
セミナーでは、東京大学 先端科学技術研究センターの教授である瀬川浩司氏をはじめ、京セラ株式会社 代表取締役社長の谷本秀夫氏、ケミトックス副社長の坂本清彦氏、PV試験評価チームリーダーの栗本晴彦氏の4名が講演を行いました。以下に、注目の講演内容をまとめます。
ケミトックスの新しい取り組み
坂本清彦副社長は、「ケミトックスのリチウムイオン電池の新しい取り組み」と題し、新設された試験センターにおける評価体制や今後の展望について詳細に説明しました。この新センターはリチウムイオン電池の性能評価のみならず、安全性の研究にも力を入れていることが強調されました。
京セラの半固体電池戦略
続いて、谷本秀夫氏が「京セラの半固体電池の戦略」と題し、クレイ型リチウムイオン蓄電池「Enerezza」の開発経緯とその将来展望について話しました。これにより、持続可能なエネルギー源としての可能性が広がることが期待されています。
新測定方法の提案
栗本晴彦氏は、ペロブスカイト太陽電池における新たな測定方法「Pmax起点IV掃引法」を紹介しました。この新しい計測ソフトを用いることで、効率的な出力測定が実現し、各種試験結果がこれまで以上に実用的なものになると期待されています。
特別講演の意義
特別講演では、瀬川浩司教授が「ペロブスカイト太陽電池が拓く未来 ― 日本のカーボンニュートラルに向けて」として、次世代の太陽電池が日本のエネルギー政策やカーボンニュートラルの実現において果たす役割について、鋭い視点から展望を述べました。
竣工式の模様
翌日の10月7日には、北杜市武川町に新設された「北杜LiB試験センター」にて竣工式が行われました。式典は、ケミトックスの坂本副社長の挨拶から始まり、衆議院議員や大学教授、地元市長など多くの来賓からご祝辞を頂きました。式典後には、参加者とともに会食が行われ、その後、施設内部の見学会も実施されました。最新鋭の試験設備を披露しつつ、電池の安全性評価や今後の展望についての説明が行われました。
北杜LiB試験センターの目指すもの
北杜LiB試験センターは、リチウムイオン電池の性能及び安全評価を行うことを目的とした最新鋭の試験施設です。その広い敷地に、720Aに対応した充放電試験設備や多チャンネル試験設備を備えています。さらに、安全性認証を目指し、不具合や劣化要因の分析にも注力しています。今後は太陽電池やプラスチック材料なども対象を広げ、地域の人材育成と雇用創出にも貢献していく考えです。
株式会社ケミトックスは、この試験センターを通じて電池および太陽電池分野における技術革新とカーボンニュートラル社会の構築に貢献することを目指しています。