クリルオイルの新たな可能性を探る：三生医薬の研究成果

2025年9月、東京で開催される「日本脂質栄養学会第34回大会」において、三生医薬株式会社がクリルオイルの最新研究成果を発表しました。今回の発表では、クリルオイルに関する2つの注目トピックが取り上げられ、新たな機能性と応用の可能性が明らかになりました。

発表の主なポイント

1. 持続的吸収を可能にする「クリルオイル×MCTマトリックス」

三生医薬の独自研究によれば、クリルオイルと中鎖脂肪酸油（MCT）を組み合わせることで、高次構造を形成し、持続的な吸収が可能になることが示されました。このマトリックス設計は、脂溶性成分を包み込み、穏やかに放出する特性があります。

動物実験の結果、従来の単独素材と比べて、吸収の立ち上がりが緩やかで、血中濃度が長時間維持されるという新たな視点がもたらされました。この技術は、高付加価値サプリメントや機能性表示食品の開発において、価値を生むための大きな可能性を秘めています。

2. 筋肉量を維持するダイエット効果

英国のグラスゴー大学で実施された研究では、断続的断食を行った群で、クリルオイルを1日4g摂取した場合、筋肉量を維持しながら体重を減少させる効果が確認されました。これは、ダイエットの際に一般的に課題となる筋肉量の減少を抑える可能性を提供します。

この知見は、健康的なダイエットを求めるニーズに応えるための商品開発に役立つものであり、クリルオイルが次世代型のウェルネス価値を高める素材であることを示唆しています。

研究者のコメント

クリルオイル研究会の会長、矢澤一良氏は、「クリルオイルはその独自の機能が学術的に明らかになりつつある重要な海洋資源です。今回の成果はクリルオイルの可能性を引き上げるもので、特に製剤設計に新たな視点をもたらすものである」と語っています。また、三生医薬の研究開発本部長、又平芳春氏も、「持続吸収設計や筋量維持効果により、市場での差別化が実現できる重要な知見です」とコメントし、今後の展望を力強く語りました。