心房細動治療の進化
2025-09-08 15:18:15

FARAPULSE™の新適応承認で心房細動治療がさらに進化

FARAPULSE™の新しい可能性



9月3日、ボストン・サイエンティフィック ジャパンからの発表で、FARAPULSE™ パルスフィールドアブレーション(PFA)システムが日本で持続性心房細動に対する新たな適応を承認されたことが明らかになりました。この承認は、治療が難しいとされる心房細動患者に新たな治療の選択肢を提供することを意味します。

従来の方法では、FARAPULSE PFAシステムは薬剤抵抗性のある再発性の発作性心房細動に主に使用されていましたが、今回の適応追加によって持続性心房細動の患者にも適用可能となり、治療の幅が広がります。FARAPULSE PFAシステムは、電気のパルスを用いて心臓の異常な信号を阻害する新しいアプローチを採用しており、食道や横隔神経などの周辺組織へのダメージを最小限に抑える特性を持っています。

医療現場への影響



東京医科大学病院の里見和浩教授は、この革新的な治療法について「FARAPULSEは、心房細動治療に革命をもたらした」と語ります。特に持続性心房細動という厳しい症例にも対応可能になったことは、医療現場において非常に重要な進展です。周囲の組織への影響が少なく、より安全な治療を提供できるため、今後の患者ケアに大きな期待が寄せられています。

心房細動は大きく発作性と持続性の二つに分かれます。発作性は自然に正常なリズムに戻ることが多く、持続性は7日以上続く状態を指します。2022年の国内のレジストリデータによれば、アブレーションを受けた患者の45%が持続性心房細動であり、これまでの治療法では十分な効果が得られないケースが多かったのです。

患者へのメリット



FARAPULSE PFAシステムは、心房への不正な信号を電気的に遮断することで心房細動を治療します。この方法は、心筋を選択的に焼灼するため、他の臓器に対する影響が少なくて済むとされています。これにより、患者さんはより早期に回復できる可能性が高まり、昨今の高齢化社会において必要とされる迅速な治療が可能になると考えられています。

安全性と効果



この新たな適応追加の承認は、米国FDAでのADVANTAGE AF臨床試験の結果に基づいており、260名の患者を対象にした研究で手技1年後の治療成功率が63.5%、重篤な副作用の発現率がわずか2.3%という高い安全性が確認されました。さらに、脳卒中や心房食道瘻などの重篤な合併症は見られていないことから、非常に信頼性の高い治療法であることが証明されています。

将来への期待



ボストン・サイエンティフィックの森川智之社長は、将来的に日本の医療現場において、FARAPULSEがもっと多くの患者にとって治療の選択肢を広げ、安全で信頼性のある医療を提供できるよう努力する考えを示しています。日本における心房細動治療の新たなスタンダードとなることが期待されます。日本での心房細動の発症率は2030年までに100万人を超えると予測されており、FARAPULSEシステムはこの患者群に対して希望の光となるでしょう。ボストン・サイエンティフィックは今後も、心疾患治療において革新的な技術を提供し続けるとしています。

結論



FARAPULSE™の新しい適応承認によって、具体的な治療の進展が期待されます。これにより、心房細動に苦しむ多くの患者がこの革新的な技術を通じてより良い未来を迎えられることが期待されています。

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